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無念の途中交代…香川「決め切れなかった」

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[6.16 W杯アジア2次予選 日本0-0シンガポール 埼玉]

 無念の途中交代だった。トップ下で先発しながら後半16分にベンチへ下がったMF香川真司(ドルトムント)。FIFAランキング154位のシンガポール相手にまさかのスコアレスドローに終わり、「決め切れなかった。それが原因」と唇をかみしめた。

 立ち上がりから縦に速いサッカーでシンガポールにプレッシャーをかけた。前半12分にはMF柴崎岳の縦パスを受けた香川が鋭い反転から右足を振り抜く。しかし、GKの好セーブに阻まれると、同24分にもDF酒井宏樹のマイナスの折り返しに右足で合わせたが、シュートはゴール上に浮いた。

「立ち上がりに先制するチャンスはあった。そこで決め切れず、相手も(日本の)リズムに慣れてきたのかなと。特に後半はそう感じた」。香川だけではない。90分間で放ったシュートは23本。その多くが決定機と呼べるチャンスだったが、相手GKの好守もあり、最後まで1点が遠かった。

 縦に早くを意識するあまり、どこか攻め急いでいるようにも見えた。焦りからか最後の精度を欠く。「もうちょっとワイドで持つ時間があっても良かった。一回サイドに開く時間があっても良かったと思う」。ハーフタイムにはハリルホジッチ監督から「斜めのサイドチェンジを入れていけ」という指示もあった。しかし、なかなか効果的なサイド攻撃を繰り出せず、中央を固めるシンガポールのディフェンスをこじ開けられなかった。

「すごく悔しいけど、負けてはない。(W杯予選の)戦いは続くので」。まさかのドロー発進となったW杯アジア2次予選。背番号10は自分に言い聞かせるように言葉を絞り出した。

(取材・文 西山紘平)

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