beacon

太田、急きょ先発で好機演出も「入らなければ意味がない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.16 W杯アジア2次予選 日本0-0シンガポール 埼玉]

 突然の先発出場となった。前日練習でレギュラー組に入っていたDF長友佑都(インテル)が左臀部に張りを訴えたため欠場が決まり、DF太田宏介(F東京)は昨日先発を伝えられた。しかし、「コンディションは良かったし、いつでも出られるように準備をしていました」と万全の状態でシンガポール戦のピッチに立った。

 序盤から日本が主導権を握る展開となったが、なかなかゴールネットを揺らすことはできない。左SBとして先発した太田は、左サイドハーフに入るFW宇佐美貴との連係で左サイドを駆け上がってクロスを供給する場面を作り出したが、前半は「マンツーマン気味につかれていたし、なかなかスペースもなかった」と深い位置まで攻め上がる回数は限られた。

 しかし、後半に入ると「しっかり真ん中を使いながら、サイドに展開」することで、太田が攻め上がる回数が増える。後半10分にはFW岡崎慎司(マインツ)へピンポイントクロスを届けたものの、岡崎のヘディングシュートは相手GKのファインセーブに阻まれてしまう。「岡ちゃんのタイミングも分かっていたし、狙いどおりでしたが入らなければ意味がありません」と唇を噛んだ。

 その後は、フリーでサイドに張り出しながらも、ボールを呼び込めない場面も目立った。「良いタイミングでボールが来たときにチャンスを演出できるように、1本のクロスに集中していました」。その言葉どおり、流れの中からのクロス、CKから好機を生み出したが、最後までスコアは動かなかった。

「自分たちが難しいゲームにしてしまった。90分を通して得点になりそうなチャンスも何度もありましたし、早い時間帯で点を決めていれば違う展開になったと思う。これが難しさだと感じました」と試合を振り返ると、自身のプレーに対しても「惜しいで終わらせてはいけないと思うし、クロスの精度を高め、もっと攻撃に絡めるようにならないといけません」とさらなる成長が必要だと話した。

(取材・文 折戸岳彦)

●ロシアW杯アジア2次予選特集

TOP