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指揮官へ恩返し、浦和DF槙野「もっと大きなトロフィーを捧げたい」

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[6.20 第1ステージ第16節 神戸 1-1 浦和 ノエスタ]

 ギアをトップへと入れると、猛然と敵陣へと突き進んだ。前半27分、浦和レッズDF槙野智章は自陣でボールを奪うとエンジン全開。追いすがる相手選手をあざ笑うかのようなフェイントでかわし、左サイドのFW武藤雄樹へパスを預けると、武藤のグラウンダーのクロスをMF梅崎司が蹴り込んで浦和に先制点が生まれた。

 この試合を迎えるにあたり、槙野はペトロヴィッチ監督からある任務を託されていた。「僕の仕事は相手のキープレーヤーを抑えること。ペドロ・ジュニオール選手に時間とスペースを与えずにゴールから遠ざけ、彼がボールを持ったときにつぶすことを口酸っぱく言われていました」。

 そして、槙野は任務を遂行した。ペドロ・ジュニオールにボールが入っても簡単には前を向かせず。激しく体を寄せて自由を奪うと、シュートゼロに抑えて、後半15分にはベンチへと追いやった。

 守備面だけでなく、攻撃面でも先制点の起点になるなど貢献。攻守に暴れた男は、それが浦和で求められていることだと胸を張って話した。「このチームでは攻撃の部分がより求められます。ボールを奪った後はパスだけでなく、自分でボールを運び、1枚2枚はがすことが僕の仕事だと思っています」。

 広島時代から指導を受けるペトロヴィッチ監督とは、長年の付き合いだ。「プロ10年目で9年間ペトロヴィッチ監督と仕事をしてきましたが、一つもタイトルをプレゼントできなかった。まずは一つプレゼントできたのは良かった」と喜びを表しながらも、「ただ、監督がほしいのは年間タイトルだと思うので、もっともっと大きなトロフィーや監督賞を捧げたいと思う」と今後も指揮官への恩返しを続けながら、さらなる高みを目指すことを誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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