[6.27 J1第1ステージ第17節 F東京3-2清水 味スタ]

　J1は27日、第1ステージの最終節を各地で行い、3位のFC東京はホームの味の素スタジアムで18位の清水エスパルスと対戦した。マインツ(ドイツ)への完全移籍が決まっているFW武藤嘉紀のラストマッチとなった一戦は、F東京が3-2で勝利。リーグ戦を4連勝としている。武藤は得点こそなかったが、FW前田遼一のゴールをアシストし、チームの勝利に貢献した。

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　立ち上がりからホームのF東京は、武藤、DF太田宏介のいる左サイドから清水に圧力をかける。しかし、ゴール中央の選手にクロスが合わずにフィニッシュまでいけない。一方の清水はFWピーター・ウタカにボールを送りながら好機をうかがう。前半17分にはゴール前でFKを得るとFW大前元紀が直接狙ったが、シュートは壁に当たって得点できなかった。

　前半22分、F東京は左サイドを攻め上がった太田からのクロスがMF東慶悟に入る。東がヘッドでゴールを狙ったが、ボールは左に逸れて得点には至らなかった。同27分には清水のウタカがドリブルでPA内に侵入。右足でシュートを放ったが、GK権田修一に抑えられた。

　清水は前半35分にも中盤でボールを奪い、カウンターからチャンスをつくる。MF水谷拓磨が抜け出して決定的な場面を迎えたが、シュートは枠を捉えられなかった。その3分後だった。F東京はMF梶山陽平がボールを持ち、DFをかわしてパス。これを受けた東がGKをドリブルで外して、シュートをゴールに流し込んだ。勢いづくF東京は43分にも東のクロスにMF高橋秀人が飛び込んだが、わずかに届かずに追加点は挙げられない。

　前半のアディショナルタイムには、F東京が波状攻撃を仕掛ける。前田のシュートはDF河井陽介が体を張ってブロック。こぼれ球を拾った武藤のシュートが跳ね返ったところを高橋がシュートしたが、これはGK櫛引政敏にキャッチされた。このまま前半はF東京が1点リードで折り返した。

　後半6分、清水はウタカがPA内に仕掛けて折り返す。これを水谷がシュート。右ポストに当たったボールをMF枝村匠馬が折り返すと、これを大前がゴールに蹴り込み、清水が試合を振り出しに戻した。

　F東京も後半13分にチャンスをつくり、右サイドから徳永がゴール前に入れたボールを武藤がヘッドで合わせたが、GKにキャッチされている。それでも後半15分、F東京は中盤で梶山がボールを奪って、スルーパス。これを受けた前田が武藤に縦パスを送る。ボールを受けた武藤がドリブルを仕掛け、DFを引き付けてから前田にリターンパス。前田は左足でシュートを決め、F東京が再び勝ち越した。

　後半17分には左サイドの太田が、DFとGKの間に低いボールでクロスを入れる。そこに走り込んだ武藤がシュートを放ったが、枠を捉えることはできない。その直後にも武藤はスルーパスを受けてPA内に侵入するが、シュートを打つ直前で戻って来た清水DFにカットされた。

　なおも攻めるF東京は、後半22分にも東が倒されてFKを得ると、太田のクロスに打点の高いヘッドで合わせて、この試合2点目をマーク。リードを2点に広げた。後半32分にF東京は前田を下げて、MF石川直宏を起用。清水は枝村を下げ、FW澤田崇を投入した。同36分にもF東京は最後の交代カードで東を下げて、MF橋本拳人をピッチに送り出した。

　苦しい試合展開となっていた清水も後半38分に途中出場していたMF石毛秀樹が目の覚めるようなミドルシュートを決めて1点差に詰め寄る。同42分に清水は河井を下げてMF高木善朗を投入して最後の交代枠を使う。同点ゴールを目指した清水だが4分間のアディショナルタイムでも得点を挙げられずに試合終了。リーグ戦3連敗となった。一方のF東京は3-2で勝利し、4連勝としている。

(取材・文　河合拓)