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号泣から一夜明け、笑顔で別れ…武藤「FC東京での1年半は宝物」

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 晴れやかな表情で別れを告げた。FC東京からマインツへの移籍が決まっているFW武藤嘉紀は28日、味の素スタジアムで「2015キッズフェスティバル」に参加し、ファン・サポーターへ最後のあいさつを行った。

 前日行われたJ1第1ステージ第17節清水戦で先発フル出場した武藤は、1アシストを記録してFC東京のラストマッチを3-2の白星で飾った。試合後のセレモニーではあふれる涙を止めることはできず、「本当にFC東京にお世話になったので。その感謝の気持ちを考えていたら、涙が止まらなくなってしまいました」とクラブへの思いを口にしていた。

 しかし、一夜明けて迎えた最後の別れの場で、涙は見せなかった。「昨日も泣くつもりはなかったけど、思いが強過ぎて泣いてしまいました。ただ、何年間分かの涙を昨日流したので、今日は泣かずにしっかりと思いを伝えたいと思います」と冒頭で話すと、「ファン・サポーターが選手を愛してくれて、選手と一体となって戦ってくれるので選手が力を発揮できます。FC東京での1年半は宝物でした」とファン・サポーターへ改めて感謝を示した。

 FC東京加入からの1年半で一番心に残っている試合は、「いろいろあって、何が一番というのは…」としながらも、「今年の川崎F戦(第9節○2-1)はたくさんの方がいらっしゃってくれた中で勝てたし、ファン・サポーターの方の後押しを強く感じました」と、自らが決勝ゴールを挙げて逆転勝利を収めた試合を挙げている。

 7月上旬にはドイツへと渡る予定だ。大学選抜でドイツへ行った経験がある武藤は「ドイツはサッカーへの熱い気持ちがある国民性なので、今からプレーをするのが楽しみ」とサッカーの本場でのプレーを心待ちにしている。しかし、一方で「まだ、ドイツ語はダンケシェーンしか知らないし、無の状態。入団会見までにもう少し言葉を覚えないと」と苦笑すると、「やってやろうという気持ちが7割ですが、不安と緊張も3割あります」と胸の内を明かした。

 しかし、すぐさま視線を上へと向けると、「FC東京でやっていた自分らしいプレーをドイツでも発揮して、元気にプレーしている姿やゴールを届けたい」とドイツでの活躍を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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