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和泉・長谷川・端山に聞く、大学進学のメリットや大学サッカーの難しさ

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 第28回ユニバーシアード競技大会・光州大会は2日に初戦を迎え、ユニバーシアード日本代表はイラン代表と対戦する。金メダルを目指す同代表のMF和泉竜司(明治大4年=市立船橋高)、MF長谷川竜也(順天堂大4年=静岡学園高)、MF端山豪(慶應義塾大4年=東京Vユース)の3選手に「大学サッカー」について、多くを語ってもらった。

 高体連とユースクラブとそれぞれの違いはあれど、高校時代から注目を集めてきた3人。年代別代表にも選ばれてきた彼らが大学サッカーを通じて感じてきたこととは何か。学生としての4年間を経て、来季からはプロ生活が待っている彼らが現役の高校生へ向けて、大学サッカーの難しさやメリットについて話してくれた。

―最近では高卒でプロへ行かずに大学進学をする選手も増えています。大学サッカーに向いている選手とはどのように考えますか?
長谷川:高校サッカーからフィジカルが問題でプロになれない選手は多いと思うんですけど、そういった選手は大学サッカーはフィジカルが強いので、大学に来た方が4年間かけて、身体を大きくする期間もあると思います。なおかつ、高校よりも速いスピードやフィジカルのなかでできるので、プロよりはレベルは低いですけど、プロへ行くまでの準備期間としては最適。大学生活は人として成長する期間でもあるし、特にフィジカルが強くない選手の方が大学での伸びしろはあるのかなと思います。

端山:僕が思うに4年間というのは、すごく長い期間になる。高卒でプロにいった奴が4年間プロでやったあとに、自分たちは大学を卒業して、そいつらと競争しないといけない。だから大学4年間はすごく重要で、すごくよく考えて4年間は過ごさないといけない。自分に足りないものだったり、何を身につけたいかを具体的に考えて、長いスパンで考えながら4年間を過ごせる人は、自分に足りない部分を大学の4年間で計画的に身につけていけると思うし、いいところを伸ばす時間も十分にある。そこまで考えて行動できる人は、大学4年間ですごく有意義に過ごせるんじゃないかなと思います。

和泉:豪も言っていましたけど、4年間は長いので。やっぱり常に向上心を持っていないといけないと思います。結構、大学は時間があって、いってしまえば遊べるし、それをどうサッカーのために費やすか。オフはいいとしても、そこで遊んでしまわずに、やるときはやるとか、自分の意志を持たないと厳しい。どこにいきたいのか、自分の目標をしっかり見据えて、そのために努力できる人が上にいけると思うし。そういう人は大学サッカーにいけば、高卒でプロにいった人よりも、4年後に良くなっているということもあると思う。大学サッカーは本当に自分次第かなと思う。

―高校生が進路の大学を選ぶ上で重要視したほうがいい点は?自身の経験を元にありますか?
和泉:僕は部員が多いところはあまり好きではなかったので、部員の少なさだったり、真面目という部分を重視して明治大を選びましたね。

端山:高校生が大学を選ぶときには、サッカー(の内容)ももちろんですけど。大学でも監督は代わることはあるし、やるサッカーも途中で変わることもあるから。サッカーの内容だけ見るのではなくて、それ以外の部分も見た方がいいですね。大学ではサッカー以外でも、部活の人たちと長い時間を一緒に過ごすから。その部活の特徴や雰囲気をしっかりと見極めて、自分に必要なことを身につけられるような雰囲気のところを選んだ方がいいのかなと思います。

長谷川:サッカーのこともそうですけど、学生なので。勉強をしっかりしたり、サッカーをいくらやれても何十年だとしても、その後の時間の方が長いと思うので。そのためにもサッカーを通して人として成長できるような環境というのを見極めたらいいんじゃないかなと思います。

―大学サッカーの良さは?
和泉:プロはお金をもらって仕事としてやっていますけど、大学は自分の属している大学だったり、大学サッカーのために泥臭くやっている。そういうのはJリーグにはない良さかなと思います。

端山:プロを目指す上で貴重な4年間になると思うし、それ以外の観点から見ても、プロでサッカーをするのとは違って、大学サッカーというのは利害関係なく仲間がひとつになって、目標に向かっていけるというのはすごく貴重な経験になると思う。人生の中でもすごく充実したいい時間になると思うから。それは大学サッカーの本質的なところかなと思います。

長谷川:高校のときは、やらされて動くということが多いかと思いますけど、大学は自由な時間もあるので、自分の意識とかがすごく大事。そういったところから、サッカーにおいてもなんでも、選手が主体的に物事を発信したりするのが大学サッカーの良さかなと。言われたことをやるのではなくて、自分から何をやったほうがいいか、みんなそれぞれ見つけてやっていると思うので。それが大学サッカーの良さかなと思います。

(取材・文 片岡涼)

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