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「息ができなかった」「変えられるなら何でもしたい」…日本戦で悲劇のOG、バセットが心境を語る

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 女子ワールドカップ(W杯)準決勝で女子日本代表に敗れ、最後にオウンゴールを記録した女子イングランド代表DFローラ・バセットが心境を語った。

 イングランドは1-1のタイスコアで迎えた後半アディショナルタイム、川澄奈穂美のクロスをクリアしようとしたバセットのオウンゴールでベスト4敗退に終わった。

 バセットはイギリス『BBC』に対し、「息ができなかった。心臓が飛び出したかのようだった。地面に飲み込んでしまってほしかった」と語った。

 イングランドのマーク・サンプソン監督は、バセットが「英雄」だと強調したが、本人はこう述べている。

「私は、(キャプテンの)ステフ・ヒュートンや監督がW杯のトロフィーを掲げて、英雄になるほうが良かったわ。正直、誰も自分の名前を覚えていないほうが良かった」

 オウンゴールの場面については、次のように振り返っている。

「ボールに触れようとして、そのボールがクロスバーを叩いたのが見えた。ステフがクリアして、ボールは(ゴールラインを)割らなかったと思ったの。でも、主審の時計が震えて(ラインを割ったと認知されて)得点になったのよ」

「試合後は胸が張り裂けそうだった。打ちひしがれていたわ。抑えがきかなかった。感情的になっていたの。私のことを知る人は、私が感情的じゃないと言う。それには90%同意するけど、時にはコントロールできないときもあるの」

「あそこから出ていきたかった。泣きたかった。私たちは大会で決して諦めずに戦い続けることを示してきた。でも、もう時間がなくて挽回できなかったの。とても、とても残酷だったわ」

 バセットはショックの大きさを次のように明かしている。

「正直、ぼんやりしていたの。周りを見て、彼氏のことを見て、そこでまた感情が爆発したわ。母とも父とも話せていないの。ただ泣く私を見ることになってしまうから。メールは送ったわ。私のことを誇ってくれるはずなのは分かっている。でも私は、あの瞬間を変えられるなら何でもしたい」

「このチームのために献身的に頑張ってきたみんなを見ると、何よりもつらいの。みんなが、イングランドが初めてやれる(優勝できる)と信じていたのよ」

 多くの支援のメッセージを受け取ったというバセットは、チームメート、サンプソン監督、コーチングスタッフへの感謝で締めくくっている。

「マークのスタッフたちがどれほど働いてきたか、みんながこの夢のために、私たち選手のために、どれだけ献身的にやってきたか、私はよく知っている。私をずっと支えてくれた。感謝したい」

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