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[プリンスリーグ関東]7月3連勝で「首位に立つ」!プレミア昇格狙う川崎F U-18が上位対決制す!

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[7.4 高円宮杯プリンスリーグ関東第8節 川崎F U-18 2-1 浦和ユース しんよこフットボールパーク]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プリンスリーグ関東は4日、第8節1日目の4位・川崎フロンターレU-18(神奈川)対2位の浦和レッズユース(埼玉)戦を行い、川崎Fが2-1で勝った。

「中断前に3つあるので、『連勝して上に立つよ、首位に立つよ』と強く言っていた。一個まず取れたので、あと2つ間違いなく勝ちに行って首位に立つ。そして折り返す、と行きたい」。前節(6月27日)に昌平高を2-0で下した川崎Fの今野章監督が選手たちに提示した7月3連勝の“ノルマ”。浦和の反撃に苦しんだ川崎Fだったが、個性と高い技術を活かした攻撃、我慢強い守備など強さを示して上位対決を制した。

 序盤は浦和が勢いある攻撃。最前線に位置するFW松澤彰(3年)の高さと強さを活用しながらサイドを取り、連続してクロスまで持ち込んでくる。押し込まれた川崎Fだったが、14年U-16日本代表MF田中碧(2年)が「(浦和は)勢い持ってくるので、(守るべきところは守って)カウンターのところは意識してやっていました」とこの時間帯を切り抜けるとファーストシュートを得点に結びつける。8分、指揮官が「基本、ゲームメークも、フィニッシュのところも、アシストも、ボール収めるところも全部やってくれる。判断のところは間違いなくチームで一番いいし、サッカーを知っている」という大黒柱のFW岸晃司(3年)がDFを抜き去って右中間を前進。そしてDFを引き付けて出したラストパスを10番MF三笘薫(3年)が右足1タッチでゴールへ沈めて先制した。

 このゴールで落ち着いた川崎Fはポゼッションを取ってゲームの主導権を握ろうとする。少ないタッチでボールを捌く田中やMF村田聖樹(1年)、三笘を軸にボールを動かし、左サイドを駆け上がってくるSB島崎竜(3年)や右MF渡邉啓太郎(3年)、そして岸の突破も交えて2点目を狙いに行く。13分には相手のクリアボールをチャージし、こぼれ球を拾ったFW藤井柾人(2年)が右足シュートを放った。浦和もハイボールを胸で収めて攻撃に繋げる松澤を起点に反撃。22分にはショートカウンターからMF川上開斗(3年)が左足シュートへ持ち込んだが、これはGK名良橋拓真(3年)がセーブする。30分にも右サイドからチャンスをつくり、松澤がGKを引き付けて左へラストパス。これを川上が右足で狙ったが、川崎FはCB武田太一(3年)がゴールライン手前でクリアして得点を許さない。

 浦和は39分にも松澤の落としからMF中塚貴仁(3年)が左足シュートへ持ち込んだが、同点ゴールは生まれず。逆に局面を強引に破った岸や渡邉がシュートを放つ川崎Fは前半アディショナルタイムに追加点を奪った。カウンターから抜け出した藤井が左サイドへはたくと、三笘が判断よくダイレクトで折り返す。ワンツーのリターンを受けた藤井が1タッチでゴールへ流し込んで2-0とした。

 後半立ち上がり、浦和はFW時里元樹(2年)の右足シュートがゴールを捉えるが、その後はボールを握って攻める川崎Fに押し返されてしまう。三笘や田中が細かくボールを動かしながら、ドリブルも交えて崩しにかかる川崎F。対して浦和は相手の仕掛けを受けながらも、制空権を握ったU-16日本代表CB橋岡大樹(1年)やCB高橋聡史(3年)中心に凌いで反撃のチャンスを待ち続ける。浦和も攻め返し、サイドまでボールを運んでクロスというシーンをつくるものの、なかなか決定打が生まれない。

 28分に投入したFW新井瑞希が31分にカットインから右足シュートを放つなど、攻撃にアクセントをつけた浦和はサイド攻撃、セットプレーから追撃ゴールをもぎ取ろうとするが、川崎Fも1年生の185cmCB伊従啓太郎や名良橋が奮戦。右SB原島亨(3年)、武田らカバーリングの意識も高く、相手に圧力を受けながらも得点を許さない。押し込んだ浦和はピッチ内外から「1点取ったら変わるぜ」の声。その中でアディショナルタイムに右クロスのこぼれ球を松澤が頭で押し込んで1点差とする。一気に同点を狙ったが、ここは「勝ち負け勝ち負けで来ていて、これまでだったら負けているけれど、ここ勝つか負けるかでプレミア行けるかどうか変わってくると思うので、みんな気合入れてやっていたと思います」(田中)という川崎Fが踏ん張り、2-1で試合終了を迎えた。

 雨中の熱戦を制した川崎Fは試合展開に応じてポゼッションするところと我慢するところの切り替えが上手くできていた。今野監督は「クラブユース(選手権予選)とかバタバタするゲームが多かった。取って取られてとか、ここで失点したらいけないところで取られたりとかがありましたけれど、きょうは守るところとクリアするところ、繋ぐところが割り切れていたように見えたので。緊張感あるゲームでしたけれど、ウチのゲームにできたのは選手の判断かなと思います。ゲームを読んで、『今、時間作ろう』とやっていたのでチームとして凄く成長したゲームだったのかなと思います」と選手たちが成長を見せて勝ち切った白星を喜んだ。

 今年の川崎Fは「勝利への意欲のある3年生が凄く多いので、ぐっと引っ張れるというか、そこに対する意欲が強い集団」(今野監督)。岸や三笘のような個性あるタレントを擁し、勝利への強い姿勢も持ち合わせる。田中が「プレミア行って来年プレミア戦うのは意識しています」という、高校年代最高峰の舞台へ。川崎Fはまず、7月全勝の“ノルマ”を果たす。

[写真]前半8分、先制点を喜ぶ川崎F・三笘(右)と岸

(取材・文 吉田太郎)
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