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太田からのクロスでホーム2戦連発弾を決めたF東京MF東「宏ちゃんのクロスは東京と日本の武器」

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[7.15 J1第2ステージ第2節 F東京 3-1 新潟 味スタ]

 第1ステージを2位で終えながらも、第2ステージの開幕戦では川崎フロンターレに0-2で敗れていたFC東京。それだけに、ホームでのアルビレックス新潟戦に懸ける想いは強かった。「フロンターレに負けて、中2日での試合だったので、選手みんな気合いが入っていた。連敗だけは避けたかった」と、MF東慶悟は試合前の心境を振り返る。

 その想いをプレーで示したのは、前半9分だった。中盤で空中戦を競り合った東は、DFに引き倒されるような形になり、ピッチに倒れ込む。それでも、セカンドボールをMF高橋秀人が左サイドに展開して、広大なスペースにDF太田宏介がドリブルを仕掛けたときには、立ち上がりゴール前へと走り出していた。

 そこには太田のクロスに対する絶大な信頼感があった。「宏ちゃん(太田)のクロスは東京の、日本(代表)の武器だし、日本でも一番というくらい良いキックを持っている。そこは信じて飛び込みたい。(太田は)僕と同じ左サイドですけど、クロスを上げるときは僕もゴール前に入っていきたい。2トップ、右サイドハーフ、それに僕も入れれば4人は入れるので。宏ちゃんもサイドでボールを持ったときは、『近づいてくるな』と僕に言うので。そこは1対1で仕掛けさせて、僕も宏ちゃんのクロスに合わせられるシーンを増やしたい」。

 前方を走るFW石川直宏に新潟のDFが2枚引き付けられると、東の前にあったスペースに、太田から絶好のボールが送られた。東は躊躇なく右足を振り抜き、ボールをゴールネットに突き刺した。このゴールについて、「練習の賜物か」と問われた東は、「そんな大した練習はしていないですけど」と笑い、「選手の感覚もあるし、グラウンドに入れば、選手がやるしかない。それがサッカーだと思う。今日に関してはうまくいった部分があったし、フロンターレ戦はうまくいかない部分もあった。それもサッカーだと思うし、そこのフィーリングを、1試合1試合詰めてやっていければいいなと思います」と、試合を重ねながらコンビネーションを熟成していくことの重要性を口にした。

 このゴールを皮切りに3得点を挙げて快勝したF東京。東自身も、第1ステージ最終節の清水戦に続き、ホームで2試合連発となった。「味スタは、すごく大好きですし、やっていてやりやすい。もっともっとゴールを増やしたいですが、ゴールが入り出すとそれだけを狙いすぎて違うところが疎かになったりしますが、それはすごく嫌いなことなので、違うところもやって、またしっかりゴールも狙っていきたいと思います」と、背番号38は今後の試合へ意気込みを語る。

 しかし、次節の山形戦への出場は難しいかもしれない。後半27分に左太もも裏を痛めて交代した東は、「ちょっと怪しいですね。ピキッたので」と、そのときの状況を説明。そして「足の状況はまだ分かりませんが、しっかり治して、また元気な姿でプレーしたいなと思います」と、少し足の状態を気にしながら話していた。

(取材・文 河合拓)

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