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[練習試合]「チームは成長している」U-18日本代表候補が6発快勝で充実の新潟合宿を終える

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[7.16 練習試合 U-18日本代表候補 6-2 JAPANサッカーカレッジ]

 17年U-20W杯を目指すU-18日本代表候補は新潟合宿最終日の16日午前、JAPANサッカーカレッジと練習試合(45分×3本)を行い、6-2で快勝した。これで3日間の合宿は終了。U-20W杯のアジア1次予選に当たる、AFC U-19選手権予選(ラオス)を10月に控えるU-18代表は8月にSBS杯国際ユースサッカー大会(8月、静岡)に出場する。

 4-4-2システムのU-18代表候補の先発メンバーはGK廣末陸(青森山田高)、4バックは右から藤谷壮(神戸U-18)、野田裕喜(大津高)、中山雄太(柏)、舩木翔(C大阪U-18)の並び。中盤は坂井大将(大分)と堂安律(G大阪ユース)のダブルボランチで右MF三好康児(川崎F)、左MF長沼洋一(広島ユース)、2トップは小川航基(桐光学園高)と岸本武流(C大阪U-18)がコンビを組んだ。

 雨中のゲームとなった一戦でU-18代表候補の入りが良く、立ち上がりから相手を攻め立てた。4分、三好の右CKに堂安らが飛び込むと相手DFがオウンゴール。幸先良く先制したU-18代表は7分にも左サイドの長沼がPAへ入れたパスに堂安が反応し、縦へ深くえぐってから折り返す。岸本の決定的な左足シュートは枠上へ外れたが、U-18代表候補は13分にも坂井とのコンビから三好がPAでDFを外して左足シュート。16分にも連係のいい攻撃から右サイドをえぐった藤谷のラストパスに小川が飛び込む。ボールを支配して主導権を握ったU-18代表候補は三好、長沼の両ワイドや坂井にボールが良く入り、1タッチでDFを置き去りにする堂安や藤谷の突破力も活きてチャンスを作り出した。

 だが、その後攻撃面ではボールロストする回数が増え、相手に切り替え速い攻撃を許してしまう。17分、25分とクロスを上げさせてしまってピンチを招いたシーンもあり、課題も残したU-18代表候補だが、三好が「まずは守備のところは全員で意識を統一して、行くところは行く、あとは守るところは守るというところをはっきりするところと、攻撃のところでは個々の力を出すところもあれば、全体で崩すというところの使い分けはしようとみんなで言っていました」と振り返ったように、小川、岸本中心に前から積極的に追うところとセットするところも使い分けてボールを奪い返し、カウンターからゴールへ迫る回数を増やした。そして44分、野田の縦パスを起点に、前を向いた小川が右前方へスルーパス。オフサイドギリギリで抜け出した岸本が右足で2点目のゴールを決めた。

 U-18代表候補は2本目開始から廣末、中山、舩木、長沼に代わってGK小島亨介(早稲田大)、CB町田浩樹(鹿島ユース)、左SB浦田樹(千葉)、左MF増山朝陽(神戸)を投入した。増山の突破などからチャンスをつくるU-18代表候補は15分、右サイドのスペースでボールを引き出した小川がグラウンダーのクロス。これでGKと1対1となった岸本が右足で決めて3-0とした。

 23分に藤谷、野田、小川に代えて右SB岩田智輝(大分U-18)、CB岡野洵(千葉U-18)、FW一美和成(大津高)をピッチへ送り出す。内山篤監督も指摘したように、試合開始から70分を過ぎたところでややテンポが落ち、32分にはPKを献上したが、これを小島が左へ跳んでストップ。逆に残り10分を切ったところからは決定機を連発する。32分にはループパスから抜け出した一美が右足ボレー。37分には三好の右FKを岡野が合わせ、38分には岩田の突破、ワンツーからのクロスでフリーとなった増山が右足シュートを放った。相手GKの好守もあって4点目を奪うことはできなかったが、3点リードをして2本目を終えた。

 そして最終3本目は小島、坂井、堂安、三好、岸本に代わってGK阿部航斗(新潟U-18)、MF鈴木徳真(筑波大)、MF佐々木匠(仙台ユース)、左MF高木彰人(G大阪ユース)、FW岩崎悠人(京都橘高)がピッチに入った。5分、高木との連係で左中間を抜け出した岩崎が左足でゴールへ流し込んで4-0。だが8分に左サイドからアーリークロスを通されるとMF細野港に右足でねじ込まれてしまう。U-18代表候補はボールを握っているものの、攻めあぐねる時間帯もあったが、20分過ぎから佐々木、鈴木を中心にチャンスの数を増やすと28分、カウンターから高木が持ち上がり、左サイドへ開いた岩崎が逆サイドへクロスを通す。最後はPAで粘った一美からのパスを中央で受けた増山が難なく決めて5-1。33分にも相手の連係ミスから抜け出した一美が右足ループシュートでゴールを破って6点目を奪った。40分にハンドで与えたPKを阿部が一度止めながらも、FW間瀬戸ロベルトに押し込まれて再び失点を喫してしまったが、6-2というスコアで合宿を締めくくった。

 内山監督は公式戦の出場時間が少ないJリーガーたちを90分間出場させたが、そのなかで選手たちがコンディション向上を意識ながら連係を深めるゲームとなった。「ゲームコンディションのこととチームのコンセプトを確認した中でプレー、コンビネーションの精度を上げることを目標にやったんですけど、思っていた以上にチームは成長しているなと思っています」と内山監督も評価。三好も「お互いの良さだったり、全員の良さをみんなが把握して短い時間でしたけれど、予選へ向けてより自信を持てる活動だったと思います」と前向きにとらえていた。スタッフが声がけしなくても選手たちが自発的にチームのコンセプトを表現。互いが共有し合って、特に攻撃のスピード感向上にチームは手ごたえを感じている。次はスペイン、クロアチア、静岡ユースと戦うSBS杯の3試合でアジア予選へ向けた力試しをする。

[写真]1本目終了間際、U-18代表候補は岸本が右足で先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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