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F東京アカデミー出身の山形MF宮阪「決めたい気持ちが強くて力んでしまった」

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[7.19 J1第2ステージ第3節 F東京0-0山形 味スタ]

 プロ入り4年目にして、待望の対戦だった。FC東京のアカデミーで育ったモンテディオ山形のMF宮阪政樹は、特別な気持ちでこの一戦に臨んでいた。前半3分には、自身のチャンスメークから前線にボールを運び、FKのチャンスを得る。F東京U-18でもチームメイトだったGK権田修一の守るゴールに向かい、右足を振り抜いた。ボールは権田の手の先を抜けたが、右ポストに嫌われた。

 前半38分には2度目のFKのチャンスがあり、後半にもミドルシュートからゴールを狙うなど、チーム最多計4本のシュートを放ったが、得点に結びつけることはできなかった。前節の浦和戦に続くスコアレスドローで試合を終えて、宮阪は「決められるチャンスが何度かありまsちあ。FK2本と後半最後にミドルシュートもあったのがちゃんと当たりませんでした。FC東京戦で決めたいという気持ちが強くて力んでしまった」と、悔しがった。

 それでも、この試合にはかつてF東京アカデミー時代の恩師も足を運んでいたことから「(引き分けは)もったいないんですけど、自分が成長した姿、プロになれた姿を、育成のときに教わっていたコーチに見せられたのは良かったですし」と言い、「もっと成長した姿を見せたいという気持ちも強くなりました」と、新たなモチベーションができたことを明かした。

 ピッチでは、F東京U-15でチームメイトだったDF丸山祐市、U-18でチームメイトだった権田、DF吉本一謙だけではなく、アカデミー時代に憧れていたFW石川直宏、DF徳永悠平らとも、言葉を交わせたという。

「試合前に、F東京深川の子供たちが練習試合をしていましたが、僕も前座試合をして、いつかFC東京の選手として、このピッチで試合をしたいと思っていました。今日、FC東京と試合ができて、一つ夢がかないました。育成のときから一緒にやって来た選手とできてうれしかったですし、石川直さんとか、徳永さんとかも、僕のことを覚えていてくれたので、嬉しかったです」

 3試合連続で引き分けという結果も、対戦相手に第1ステージ首位の浦和、2位のF東京が入っていたことを考えれば、悪くない結果だろう。「無失点は良いこと」と、宮阪は守備面での手応えを口にしつつ、第1ステージからの課題が持越しとなっていると話す。「ただ、第1ステージからある点が取れていないという課題は、克服できていない。そこの精度を上げて、失点をゼロのまま行く。FC東京の監督さんが好きなように、1-0でいく。自分たちは100%、200%を出して、そういう形で勝っていくチームだと思う。浦和やFC東京にできて良しとするのではなく、自分たちと順位が近い相手と戦うときもしっかりやっていけば、残留も見えてくると思う」。プロ4年目で、初めて自身のルーツでもあるチームと対戦した宮阪は、多くのものを得て味の素スタジアムを後にした。

(取材・文 河合拓)

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