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[クラブユース選手権(U-18)]灼熱の群馬でも「前から」、守りに入らなかった鹿島ユースがBグループ1位で決勝Tへ

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[7.25 クラブユース選手権(U-18)GS第3節 鹿島ユース 0-0 徳島ユース 敷島補助]

 第39回日本クラブユース選手権(U-18)大会は25日、グループステージ最終節を行い、2連勝でBグループ首位の鹿島アントラーズユース(関東2、茨城)対3位・徳島ヴォルティスユース(四国、徳島)戦は0-0で引き分け。鹿島はグループ1位と決勝トーナメント進出を決めた。一方、1勝1分1敗の徳島は2位浮上ならず。グループステージ敗退が決まった。

「相手も勝たないと決勝トーナメントに行けない。(自分たちのサッカーを)『真っ向からぶつけてこい』と言われていて、自分たちも引き分けで行こうとは思っていなかったですね」。鹿島のCB中野純(3年)は、試合前から勝ち点3を取りに行くことだけを考えていたことを強調した。引き分けでも1位突破の決まる鹿島に対し、徳島は勝って勝ち点で並ぶ長崎U-18の結果を待ちたいところ。だが、序盤から積極的に前へ出る鹿島が徳島を押し込んだ。

 鹿島は気温34度の戦いでも前線で動き出しと跳躍を繰り返す187cmFW垣田裕暉(3年)を活かしたフィードとクロス。そしてチームのストロングポイントであるセットプレーでゴールへ迫る。14分には右CKをニアサイドでFW渡邉伶那斗(1年)が合わせたが、これは徳島GK堀口皓平(3年)がファインセーブ。鹿島は27分にも右CKをU-18日本代表CB町田浩樹(3年)がタイミングよく頭で合わせたが、徳島守備陣の厚い壁に跳ね返され、29分にも左サイドを崩してMF平戸太貴(3年)が決定機を迎えたが決めきることができない。

 一方、奪ったボールをテンポよく動かして反撃する徳島だが、鹿島の素速いチェックの前にゴール近くまで前進することができなかった。中盤を突破しても、「声出すことと球際いくところが自分の中でのコンセプト」と声を張り上げながら集中して守る鹿島の中野や町田の壁は簡単には攻略することができない。それでも前半終了間際には左FKを中央のDF欅田卓也(2年)が頭で合わせるなど1チャンスをものにしようとする。

 後半も鹿島が押し込むが、左右に揺さぶってから垣田がヘディングシュートへ持ち込んだ12分の決定機は徳島DF岸龍太郎主将(3年)が懸命のクリア。鹿島はその後もFW吉岡樹利也(3年)の仕掛けや空中戦で相手を圧倒する垣田の高さを活かした攻撃などからゴールを狙ったが、徳島もゴール前で譲らず、1点を奪うことができない。逆に徳島は15分、10番FW長野諒(3年)が右サイドをえぐってクロス。このクリアボールを拾った中学生FW藤原志龍がミドルレンジから左足を振りぬくと、GK木戸裕貴(2年)の頭上を突いた一撃は木戸の手をかすめてクロスバーを叩いた。互いに選手を入れ替えながら迎えた終盤、徳島は長野や藤原がボールを収め、交代出場のFW桒原呂偉のドリブルシュートなどで1点を狙ったが、要所を締める鹿島ゴールを最後までこじ開けることができなかった。

 それぞれ規律を持った難敵揃いだったBグループで首位通過を果たした鹿島の熊谷浩二監督は選手たちがより高いレベルのプレーを試合で表現することを期待しつつも、「条件はみんな一緒だと思うんですけど、ウチのスタイルが前から行って、そこからまたメリハリというところでやっているんで、この3戦に関しては前から行ってどこまで行けるのか。どこでストップしなければいけないのかというところの見極めだったと思います。この3戦に関しては良くやってくれたと思います」。連日真夏日の続く灼熱の群馬でも「やるべきことを変えないで、この環境の中で何ができるか」(熊谷監督)と戦い、鹿島らしさを出したグループステージに指揮官も及第点を与えていた。

 ここから先は一発勝負の決勝トーナメント。チームは先見ることなく、一試合一試合に集中して勝ち上がっていく。「立ち上がり、もっと相手を飲み込むくらいいかなければいけない」と課題を口にした中野は「(昨年優勝した)Jユースもそうだったんですけど一試合、一試合に集中してやってきた。一試合一試合確実に勝って行きたい」と誓った。1回戦の対戦相手はジェフユナイテッド千葉U-18(千葉)。目の前の試合をに集中して勝利し、8強入りを決める。

(取材・文 吉田太郎)
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