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兄・俊幸の失敗がよぎるも…冷静にPK決めた三男・大輔に善朗も賛辞

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[7.26 J2第26節 東京V1-0京都 味スタ]

 兄の失敗が教訓になったのかもしれない。東京ヴェルディ京都サンガF.C.に1-0で勝利すると、4位まで順位を上げた。FW高木大輔の決勝点は自ら獲得したPKを決めたものだった。

 後半12分、DF安在和樹のパスをPA左で受けようと走り込んだ大輔は相手DFに倒されて、PKを獲得した。すぐさまボールを手に持ち、キッカーを務めようとしたものの、わずかな時間で多くのことが頭をよぎった。

 ペナルティースポットへ向かう中、目の前にはいつもPK練習をともにしている先輩2人。MF中後雅喜とMF南秀仁の姿があったため、譲ろうかと考えたという。しかし、南から「大丈夫。外しても俺らが詰めるから、思い切り蹴ればいいから」と声をかけられ、決意は固まった。

 しかし、蹴る瞬間は兄・俊幸のPK失敗が頭にちらついた。今月19日に行われたJ1の第2ステージ第3節・広島戦(1-2)で浦和レッズに所属する長男・MF高木俊幸がPKを失敗。左へ蹴ったボールはGKに弾き出されていた。大輔は自らがPKに臨む直前、兄の失敗が「正直、よぎりました」と苦笑する。

 それでも、迷うことなくゴール右へ蹴り込んだボールはゴールネットを揺らした。「俊幸のPKがよぎったから、無意識に(俊幸の蹴った方向と)逆に蹴ったのかもしれない」と笑った大輔は「ボールに当たった感触がなかったから、やばいと思いました」と言うが、右足で蹴り込んだボールはGKに触れられることなく、しっかり決まった。

 弟のPK獲得をベンチで見守っていた次男のMF高木善朗はPKを蹴るシーンについて「決めるとは思っていたけど、外すのは見たくないからあえて見ていなかった」と言う。それでも「俊幸と逆に蹴ってくれると思っていたので、逆に蹴って決まって良かった」と冗談まじりに語っていた。
(取材・文 片岡涼)

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