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[MOM1419]仙台ユースFW本吉佑多(3年)_競って、運んで、撃って決めた!10人で戦うチーム救った“衝撃”の決勝弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.28 日本クラブユース選手権(U-18)大会準々決勝 名古屋U18 1-2 仙台ユース 県立敷島]

 衝撃的なゴールが熱戦に終止符を打った。1-1の後半42分、ベガルタ仙台ユースはセットプレーでのカウンターから唯一前線に残っていたFW本吉佑多(3年)へボールを入る。ハーフウェーライン手前でDFと競り合った本吉には、この時点ですでにゴールへのイメージが出来上がっていたという。「行くしかないと思ったので。競って終わりとは思っていなかったです。自分で触って、前向くしかないと思っていた」。DFを弾き飛ばすかのように競り勝った背番号18は、前向きにボールを拾うと躊躇することなく単騎突進していく。カバーするDFはいたが、鋭い切り返しで逆を突いてPAまで前進し、そのまま右足シュートをゴール左隅へ叩き込んだ。

「競って終わり」ではなく自分が「行くしかない」と1人で決めてしまった184cmFWのスーパーゴール。「(相原)旭が退場しちゃって、あそこ(セットプレー)で自分は守備しようと思ったんですけど、スタッフたちに『前に残ってみんなを信じろ』と言われたんですよ。自分も信じて前でやったら、ボールが来たんで、『みんなのために決めるしかない』という気持ちで決めました。(その前の)1本目とか2本目で相手のフィジカルとかは分かったんで、これはひとりでもフィジカルとスピート使っていくしかないと思っていました」。全国大会の準々決勝で、狙って決めることのできるような状況ではなかった。だが、野性的な動きでゴールへ向かい、奪い取ったストライカーが劇的勝利の主役となった。

 この日は後半11分にも左サイドを抜け出してからのクロスでパートナーであるFW吉田伊吹のゴールをおぜん立て。本吉は今大会は福岡戦で先制ゴールを決めているものの、その後は2トップともに決定力を欠き、チームに迷惑をかけていた。「(0-0からのPK戦勝利だった)前節の清水戦とかディフェンスに助けられた。もう片方の(吉田)伊吹と『そろそろ決めないといけない』と話していた」という。それだけに退場者を出して苦境に立っていたチームを救うゴールを「めっちゃ嬉しい」と心から喜んでいた。

 重戦車のような突進や184cmの高さを活かしたダイナミックなプレーでゴールを狙うストライカーは、千葉県の三井千葉SCジュニアユース出身。高校進学時には色々なチームからの誘いがあったというが、その中で仙台ユースへ進むことを決断した。「自分、こういうプレースタイルなんで、上手くなりたいというのがあったんですよ。ユースに入ってサッカーを知りたいと思って。本当、正解だったと思っています。まだ下手なんですけど、(監督の)越後さんに3年間戦術とか教わって来て、ちょっとは頭使えるようになったかなと。でも、全然まだまだですよ」と豪快に笑う。その中でこのゴールは今後への大きなアピールにもなったはず。準決勝、決勝でもその豪快なプレーでチームを救うことができるか、注目だ。

[写真]後半42分、仙台ユースFW本吉が右足で決勝ゴール!

(取材・文 吉田太郎)
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