[7.28 日本クラブユース選手権(U-18)大会準々決勝 名古屋U18 1-2 仙台ユース 県立敷島]

「すっごい嬉しかったです。みんなを信じて良かったと思いますし、ボクは出場停止になって迷惑かけてしまったんですけど、声嗄らして応援して良かったと思います」。ベガルタ仙台ユースのエースでU-18日本代表でもあるMF佐々木匠(3年)は累積警告のため、名古屋U18戦は出場停止。前半強い雨も降っていたこの日は、ピッチではなくスタンドから黄色いメガホンを持ってチームに声援を送り続けた。

　目の前ではキャプテンマークを巻いたMF縄靖也やMF織田遥真ら仲間たちが奮闘。相手にボールを支配される時間が長くなる展開だったが、それでも走り続けてくれていた。そしてチームは退場者を出しながらもFW本吉佑多のスーパーゴールによって2-1で勝利。勝利を確認した佐々木はスタンドからピッチへ下りると、戦い抜いた選手たちと次々と抱き合って喜びを分かち合った。

　ピッチに立てなくても「チームのためにどれだけできるかというのは勉強にもなった」と佐々木。常にピッチ上で応援される側にいたエースは仲間がふだんどのように自分をサポートしてくれているのかを改めて知り、「本当に嬉しかったです。やってくれたな、ありがとうっていう。そんな感じでした」と普段から自分を助けてくれている仲間たち、決勝へ導いてくれた仲間たちに感謝していた。

　越後和男監督はそんな佐々木へ向けて「(応援してもらうありがたさを知って)また次、頑張れるんじゃないですか。これで頑張れなければ、男じゃない」とメッセージ。もちろん本人もそれに応えるつもりでいる。「ここまで来させてもらった訳ですから、10番背負っている訳ですし、自分が試合を決めてやる、優勝させてやるっていう気持ちでやっていきたいなと思っています」。意気込み新たにしたエースがまずは準決勝でチームを勝利へと導く。

(取材・文　吉田太郎)

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