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[総体]PICK UP TEAM vol.1_立正大淞南高(島根)

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特集企画「全国高校総体PICK UP TEAM」

 5県の新人戦上位校で争われた3月の中国新人大会を制し、同じく5県の全国高校総体予選上位校が集まった6月の中国大会でも優勝。さらに連覇が懸かるプリンスリーグ中国でも、10試合を終えて首位タイにつける立正大淞南高(島根)は、選手権を含む近年の全国大会と同様に、今回の平成27年度全国高校総体「2015 君が創る 近畿総体」サッカー競技も優勝候補の一角に挙げられる。

 特徴は、もはや代名詞ともなっている高い攻撃力と得点力だ。素早いパス交換による中央突破や、連係と個人の突破力を駆使するサイドアタック、最終ラインからのロングパスで前線のスペースを突くカウンターなど、多彩なルートで敵陣を破り、ネットを揺らす。中心となるのはエースストライカーのFW井上直輝(3年)で、シュート技術の高さでプリンスリーグ中国では8得点。加えて柔軟なボールタッチを生かすポストワークも光る。その井上と2トップを組むFW杉本龍哉(3年)の得点力も引けを取らず、いずれも突破力に優れる右の上村大悟(3年)、左の上西健也(3年)の両サイドハーフ、さらにバックアップも含め、攻撃陣は個性あふれるタレントが揃う。

 守備も、ともに力強い1対1の対応で相手を封じるキャプテンの饗庭瑞生(3年)、武田航太朗(3年)のCBコンビを軸に安定感がある。また、堅守を支えるもう一つの要素が、南健司監督が「切り替えゼロ秒」と表現する、素早い攻守の切り替えだ。相手ボールになった瞬間、ボールにアタックする選手、周囲をカバーする選手、最終ラインの背後をケアする選手などが的確な判断で連動し、ボールを奪い返して連続攻撃につなげる。それを実現するベースが、徹底した強化によって鍛え上げられた個々のフィジカルや走力であり、真夏の連戦を勝ち抜くための大きな武器ともなるだろう。

 全国総体の1回戦で立正大淞南は東北高(宮城)と対戦。県予選決勝で同点ゴールを決めた井上は、全国の舞台に向けて「同点ゴールだけで終わらず、逆転ゴールなど、試合を決定付ける得点を決めたい」と意気込む。ピッチ内だけでなく、スタンドではメンバー外の部員全員が大きな声で声援を送り、ピッチ内の選手を後押し。チームが一丸となった「揺るぎなき全員サッカー」で、悲願の日本一への扉をこじ開ける。

(取材・文 石倉利英)
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