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[クラブユース選手権(U-18)]我慢強くタスク遂行、甲府U-18の堅守を攻略した横浜FMユースが4強入り

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[7.28 日本クラブユース選手権(U-18)大会準々決勝 横浜FMユース 2-0 甲府U-18 前橋総合]

 5バックを敷くヴァンフォーレ甲府U-18をどう崩すか。このタスクを横浜F・マリノスユースの選手達は冷静かつ、我慢強く遂行し、2-0の勝利をもぎ取った。

「3人目をうまく活かせるか。相手のカウンターに対し、後ろが重くならないように、より積極的に縦パスが入ったらすぐにサポートに行けるようにして、ボランチが前向きでボールを受けて、そこからサイド、中央を突破することを狙った」。

 第39回日本クラブユース選手権準々決勝。横浜FMは前半からポゼッションで優位に立ち、相手のDFラインとボランチの間を積極的に狙った。FW中杉雄貴はボールを持ったら、「ワンツーとドリブルを活用して打開を狙った」と、トップ下の渡辺力樹遠藤渓太阿部隼人の両サイドハーフと、パス交換とドリブルで崩しに掛かった。前半こそCB森本裕来以、GK中村将を軸とした甲府の堅守を切り崩せなかったが、焦ること無く、タスクを全うした結果、後半に試合が動いた。

 6分、右スローインから、渡辺が右サイドに抜けた中杉にパス。これを受けた中杉は、キレのあるドリブルで深くえぐり込むと、「渓太が走ってくると信じて出した」とマイナスの折り返し。これをドンピシャのタイミングで遠藤が蹴り込み、横浜FMが先制に成功する。

 これで完全に流れを掴んだ横浜FMは、その後も容赦なく攻め立てると、41分には右でFKを獲得。相手のクリアミスをDF坂本寛之が蹴り込んだ。ペースを握り続けた横浜FMが、2-0で甲府を下し、準決勝進出を決めた。

「前半も決して悪くなかった。どう甲府の分厚い壁を破るかを、90分を通してやり抜くことが出来た。今日も雨が降ったり、急に晴れたりと、過酷な環境だったが、最後まで走り切って戦うことが出来た」(松橋力蔵監督)。

 横浜FMには転機となった試合があった。6月下旬のプリンスリーグ関東・第7節の浦和ユース戦。後半早々に退場者が出て、直後に1-2と逆転される苦しい展開だったが、「一人少ないなら、その分、しっかり守って、走りきれ」という松橋監督の檄に、チーム全体が呼応し、追いつき、再び突き放されても、土壇場で追いついて3-3のドロー。「あの試合でみんな変わった。強い気持ちで前に行けば、必ず崩せるということが分かった」と中杉が胸を張ったように、より戦うメンタリティーがチームとして強くなったからこそ、この大会でも準決勝まで勝ち上がることが出来た。甲府戦はまさにその成長が現れた試合だった。

 これで次はホームタウン・横浜にある三ツ沢での試合となる。「『勝って横浜に帰ろう』が合言葉だった」(松橋監督)。まずは一つの目標をクリアした彼ら、次は『ホーム』で本領発揮する番だ。

[写真]後半6分、横浜FMユースは遠藤(右)が先制ゴール

(取材・文 安藤隆人)
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