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5戦ぶり2発も、まだまだ武藤に及ばない? F東京FW前田「あれだけの選手だから」

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[7.29 J1第2ステージ第5節 F東京3-1仙台 味スタ]

 マインツへ移籍したFW武藤嘉紀のラストマッチとなった清水戦で2ゴールを挙げたFW前田遼一。それ以降の4試合では無得点だったが、ベガルタ仙台戦で再び2ゴールを挙げて、チームに勝利をもたらした。前節の鹿島戦では、自身のシュートがポストに嫌われてゴールを挙げることができず。チームも1-2で敗れていた。「前回の試合、チャンスで決めきれずに負けてしまった。今日はゴールを決めて勝ちたかった」と、前田は話す。

 前半23分、MF野澤英之からのパスを受けると、DFを突破して左足で5試合ぶりとなるゴールを決める。さらに34分には相手のボールをカットし、こぼれ球を収めてから、冷静にDFをかわして、浮き球のシュートでGKを抜き、ゴールネットを揺らした。

「ヒデ(野澤)が良いボールをくれて、ゴチャゴチャとなりましたけど、ラッキーもあって自分の前に転がってくれました。GKの動きを落ち着いて見て打てました」と、先制点を振り返る。さらに2点目についても「カットしてから、フラン(サンダサ)が走り込むのが見えたのでパスを出そうとしたんです。その動きに相手もつられたので、利用してうまく切り替えて、GKの動きも見れて良かったです」と、イメージ通りのプレーができたと説明した。

 この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた前田は、「チームの攻撃の中心にいたい」と話していたという。試合後のヒーローインタビューで、その話題を振られると「ヨッチ(武藤)という存在がいたので。もっと頑張ります」と、10歳年下のストライカーの名を挙げた。

 リーグで得点王争いをしていた武藤がいなくなった第2ステージ。前田は、新たなエースとして活躍が期待された。ほかならぬ武藤も、清水戦で前田にアシストしたのちに「遼一さんが、今後も活躍してくれると思う。今日はその始まりになるアシストができて良かった」と話していた。それもあり、プレッシャーがあったのかと問われると、前田は「あれだけの選手だから。頑張らないといけないという思いはあるけど。自分にできることは限られているし、フランとやるときだけは裏に飛び出した方がいいのかなという気持ちはあります」と、口にした。

 F東京において、まだまだエースと呼ばれる存在になりきれていないという思いが強いようだ。「これで終わりではなく、これを良いきっかけにできるようにしたい」「ここから続けていくことが大事。前も点を取れてから、何試合か取れないことがあったから。コンスタントに点を取れて、勝利に貢献できたらと思います」と、継続的な活躍を誓う。磐田のエースとなり、日本代表のFWとしても活躍してきた前田は今、F東京のエースとなるべく走り続ける。

(取材・文 河合拓)

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