[7.30 日本クラブユース選手権(U-18)大会準決勝 横浜FMユース 2-0 仙台ユース ニッパ球]

「少ないチャンスをものにして次のステージに行ったことは価値がある。でも、まだここで終わりではない」。横浜F・マリノスユースの松橋力蔵監督は決勝進出を果たした選手たちを讃えた一方で、縦にボールを入れるチャンスがありながらも、横、横へ逃げてしまったり、トライすることができていなかったことに対して苦言を呈していた。

　相手のパワープレーに押し込まれて後ろが重くなっていた時間帯もある。チームには消極的になった部分があった。決勝では、長短のボールで相手を動かし、前線のコンビネーションで相手の守りを切り崩すような攻撃の回数をより増やすなど、攻守両面でトライしていくことができるか。決勝の舞台でしっかりと自分たちの持ち味を出して2年ぶりのタイトルを手に入れる。

　2年ぶりの決勝進出を果たした横浜FMユースだが開幕前、プレミアリーグ勢に比べると、前評判は決して高くなかった。だが、グループステージではそのプレミア勢である札幌U-18を破るなど3連勝でFグループ1位。決勝トーナメントも無失点で進撃してきた。ゲーム主将を務めるMF小松駿太は「大会前、自分たちが優勝すると思っていた人いるのかなと。でも、優勝するポテンシャルがあることを示したい。自分たち3冠を掲げているので、ここで一個取れたら波に乗れたらなと思います。プレミア昇格とJユースに向けても絶対に勝ちたい。今年が三ツ沢が最後だと聞いているので、マリノスユースとして絶対に勝って終わりたい」と誓った。

　この日、2点目に繋がるインターセプトなど守備面で奮闘した小松は、東京都選抜の一員として出場した13年東京国体決勝で決勝ゴールを決めている。チャンスあれば決勝でももちろん、優勝ゴールを狙っていくが、まずは勝利に集中。「最後、勝利で終われたらいい」。ホームで仲間たちと日本一を喜ぶ。

(取材・文　吉田太郎)

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