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[総体]市立船橋、岡山学芸館の挑戦を退ける

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[8.3 全国高校総体1回戦 市立船橋3-1岡山学芸館 ユニバー記念競技場]

 平成27年度全国高校総体「2015君が創る 近畿総体」サッカー競技1回戦、ユニバー記念競技場での第3試合は、2年ぶりの王者奪還を目指す市立船橋高(千葉)が岡山学芸館高(岡山)の挑戦を退けて2回戦へ。4日に尚志高(福島)と対戦することが決まった。

「高体連No.1といえる素晴らしい相手と(ユニバー記念競技場という)素晴らしい場所でプレーする。我々にとっては胸を借りるつもりで、失うものはないという気持ちだった」と、岡山学芸館の高原良明監督は振り返る。ゲームプランは「自陣でプレーする時間が増えるだろうから、とにかく奪ったボールは竹田に当てて、こぼれ球を井上、川口が拾う。つなぐことは捨てました」。

 FW竹田そらにボールを当て、こぼれ球にスピードのあるMF井上瑞貴、MF川口洋平が絡む。このプランは立ち上がり10分は奏功した。しかし肝心の得点を奪えるところまでは至らない。もともとスコアレスで試合を進め、相手を焦らせたい思いもあった。これも奏功しかけるが、前半25分に瓦解する。「セットプレーで、気がスッと抜けた時にやられる。逆にそういう時に決めるのはさすが」(高原監督)。市立船橋は、DF古屋誠志郎のFKからファーにいたDF原輝綺が冷静にボールをゴールに押し込んで先制した。

 後半に入ると岡山学芸館は、攻勢に出る市立船橋の裏へロングボールを放り込むケースが目立ってきた。単発感は否めないが、ボールが繋がればチャンスになる。後半14分、右サイドの井上が裏へのボールに反応し、中央のFW西山敢太へ。DFに阻まれたものの、ひとつ形を作る。一方、落ち着いてゲームをコントロールする市立船橋は同21分、スルーパスに反応してPA内に進出したFW永藤歩が倒されてPKを獲得。これを主将のMF椎橋慧也がポストに当てながらも決めて追加点を奪った。

 その1分後だった。追加点を奪われ追い詰められた岡山学芸館が、再び裏へ出たボールを右サイドから井上がセンタリング。中央の西山が次はきっちりと合わせて1点を返す。

 しかしその2分後、市立船橋が今度は後半出場のMF工藤友暉がPA内で倒されPKを獲得。工藤自らキックを決めて再び2点差とした。岡山学芸館は後半25分から投入したDF平野智大の超ロングスローなどでパワープレーに出て相手ゴールを脅かすシーンも作るが、スコアを動かすには至らなかった。

「1点取られてから精神的もろさがでました。対して市立船橋さんはメンタル的な逞しさ、そして球際の強さなど、勝負にこだわる姿勢があった。我々も最後まで諦めない姿勢は見せられましたがそれでもまだまだ」。相手から学んだ点を聞いた際の高原監督の答えだ。試合終了後、ピッチにくずれ号泣していた西山を筆頭に、悔しさから学べばまだまだ伸び代を伸ばすことができるはずだ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 伊藤亮)
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