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[MOM1430]関東一FW鈴木隼平(3年)_V候補・大津沈めた2本のダイビングヘッド!PKも決めて圧巻3発!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.5 全国高校総体3回戦 関東一高 4-1 大津高 いぶきの森]

 2本のダイビングヘッドと志願のPK。関東一高のFW鈴木隼平主将がV候補・大津高撃破の立て役者となった。前半はあまりボールに絡むことができず、シュートはゼロ。だが「チームの雰囲気としては手応えがありましたけれど、個人的には何もできなかったので切り替えてチームに貢献しようと思っていた」という後半、“泥臭い”プレーも厭わない姿勢がチームに白星をもたらす。

 0-1の後半7分、関東一は左サイドをワンツーで崩したFW高橋快斗がクロス。足でも合わせることができそうな高さのボールだったが、「足で蹴ってフカすことも頭にあったので、とにかく枠に飛ばすことを意識したら勝手に体が飛んでました」という鈴木隼は渾身のダイビングヘッドでゴールへ突き刺す。さらに勝ち越しゴールとなった2点目も“得意の”ダイビングヘッド。18分、再びワンツーから高橋が上げた左クロスに頭から飛び込んで大津ゴールへ沈めた。

「自分は技術派とかではなくて魂で引っ張っていくタイプなので、自分が身体張ってチームの雰囲気良くプレーできればいいと思っていた。技術はみんなの方が遥かに上手いので、自分がそういうプレーをできない分、それはみんなにやってもらって、泥臭いことは自分が担当しようと思っている」。闘将がより正確にゴールを奪うため、そして泥臭くてもチームのためにと放った2発のダイビングヘッド。これで逆転させた主将はさらに後半25分、相手のハンドで獲得したPKに立候補して左足でゴールへ叩き込んだ。

 東京都予選でもPKを蹴るチャンスはあったが、当時はチームメートに譲っていた。それが全国舞台に立ち、気持ち面に変化が出てきている。小野貴裕監督も「珍しく(PKのシーンで自分から)ぐっと出てきた」と語っていたが、本人は「東京都予選では自分のメンタルが弱くて譲ったり、そういう面があった。ここで自分が決めてみんなを楽にしようと思った」。主将としての責任感がより高まった鈴木隼の覚悟を示す3点目だった。

「このプレースタイルは変えないで、技術レベルを上げないと上で戦えない。練習からやっていきたい」と成長に貪欲なアタッカー。チームを引き締める役割も担うFWは試合後「嬉しいです」と喜んだ3発からすぐに切り替えて、準々決勝への準備を開始していた。「大舞台で必ずやってくれる」「やってくれると信じている」というチームメートからの期待も背負う鈴木隼が次は全国4強入りへ“泥臭く”ゴールを決める。

(取材・文 吉田太郎)
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