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[総体]「一人ひとりが粘り強く」戦う王者・東福岡が難関・履正社突破して4強進出

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[8.7 全国高校総体準々決勝 東福岡高 1-0 履正社高 三木総合防災公園第2陸上競技場]
 
「良くやっていると思いますよ」。森重潤也監督はそう選手たちを讃えたが、我慢の展開となった履正社高戦を前回王者・東福岡高がしぶとく勝ち切って、ベスト4進出を果たした。

 ホームで対戦したプレミアリーグWEST第5節(5月)を2-0で勝利している履正社との一戦。課題の立ち上がりを上手く入った印象のあった東福岡だが、数的不利の局面の中、個で強引に仕掛けてボールを失うシーンが多く、相手のブロックを破ることができない。逆に前半半ば以降はDFが相手の強引な突破に穴を開けられたり、サイドから決定的なピンチを迎えるなど冷や汗をかかされる場面もあった。

 だが、無失点のまま凌いだチームは、MF中村健人主将やMF藤川虎太朗らを中心に大きな展開を交えた攻撃で相手の急所を突く回数が増えた後半の24分に交代出場FW餅山大輝が決勝点。接戦をものにして難関を突破した。

 この日ビッグセーブでチームを救ったU-17日本代表GK脇野敦至が「みんな一生懸命走って守備してくれている。今年はみんなで守って、みんなで攻めるというチームなんで徹底してやっていきたい」と語り、決勝点を決めた餅山が「一人ひとりが盛り上げていこうといういう意識があるので、雰囲気は悪くないです。一人ひとりが粘り強くやって、守備陣が最少失点で抑えてくれている。そして攻撃陣が少ないチャンスでも活かして粘って勝って行くのが今年のチームだと思う」という今年の東福岡。MF中島賢星(現横浜FM)やMF増山朝陽(現神戸)中心に6試合で26得点をたたき出して優勝した昨年ほどの個や破壊力はないが、それでもマジメに、謙虚に、献身的に、粘り強く戦って勝つチームになってきている。

「(勝ち続けることは)簡単ではないと思っているし、しぶとくやっていくしかないとボク自身は思っているし、選手たちもそれは感じていると思います」と指揮官。昨年、17年ぶりの全国総体優勝を果たした東福岡は総体九州大会3連覇やプレミアリーグで上位争いをするなど近年、高い評価と結果を得ている。同時に勝つことの難しさも知っている東福岡。唯一、連覇への挑戦権を持つ東福岡が難敵・立正大淞南高との準決勝でも今年のチームらしく、個々がハードワークを欠かさず、グループで数的優位をつくって、全員で戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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