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[総体]市立船橋が2年ぶり優勝へ。関東一の勢いをストップ!

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[8.8 全国高校総体準決勝 市立船橋高 2-1 関東一高 ユニバー記念補助競技場]

 平成27年度全国高校総体「2015君が創る 近畿総体」サッカー競技準決勝がユニバー記念補助競技場で行われ、市立船橋高(千葉2)が関東一高(東京1)との接戦を制し、2年ぶりの優勝へ王手をかけた。決勝ではディフェンディングチャンピオンの東福岡高と対決する。

 突如訪れたように感じる得点シーンだった。キックオフから落ち着いた試合運びをする両チームは、選手同士の距離感も良く、ラインもそろっており、バランスがいい。流れに大きな波風が立たない展開で時間が進んでいた。だが前半29分、右サイドでボールを持ったU-18日本代表FW永藤歩がゴールライン際で相手DFをかわしフリーに。中央へドリブルでけしかけ、センタリング。MF高宇洋が詰めたがGKが阻み混戦に。最後は、ゴール左側にいたMF工藤友暉が落ち着いてゴールへボールを押し込んだ。

 ここから試合は瞬間的にヒートアップする。先制ゴールからわずか2分後。今度は関東一のFW岡崎仁太朗がMF冨山大輔へパス&ゴー。DFの間を抜けスポットに入るとリターンを受けてきっちりとシュートを決めて同点に追いついた。

 前半終盤にスコアが動いたが、後半の入りは前半の入りとほぼ同じ。しかし時間が経過するにつれ市立船橋が攻勢を強めていく。そして給水タイムが終わってから間もなくのことだった。後半22分、市立船橋はDF古屋誠志郎から縦へ長いフィードが入る。DF裏の中央スペースに出されたボールに反応したのはFW矢村健。DFを背負いながらそのまま左足を振り抜く。豪快な勝ち越しゴールが決まった。

 関東一は反撃に出たい気持ちがプレーに出ていたが、結果に繋がらない。前半からワイドにボールを動かした両チーム。守備に費やされた時間はほぼ同じ。後半は、どちらの足が先に止まるかがポイントだった。果たして、先に足並みが乱れ選手間の距離が間延びになったのは関東一だった。

 同じ関東勢同士の対戦となった準決勝。実績では圧倒的に市立船橋だったが、「それでも選手たちはリスペクトしすぎず勇気をもってよくやってくれた」と関東一の小野貴裕監督は選手を称える。「自分たちの価値を証明したかった」今大会。それは実現できた。そして市立船橋に敗戦したことで、「都大会からうまく来すぎて最後に悔しい敗戦。涙が見えた選手もいた。これが選手権に向けてのスタートになります」。9年ぶりの東京勢総体ベスト4。この貴重な経験は、この先さらに大きな実を結ぶかもしれない。

(取材・文 伊藤亮)
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