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[総体]夏の全国連覇果たした東福岡は意識変え、切磋琢磨して冬の選手権へ

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[8.9 全国高校総体決勝 東福岡高 1-1(PK6-5)市立船橋高 ノエスタ]

「違う遠征に昨日から出発しているグループもありますし、これからウチのサッカー部員全員が刺激を受けて、『今の17人を抜けば自分も全国で戦えるメンバーになるな』と思ってみんなで切磋琢磨していければと思います」。2年連続の全国高校総体制覇を成し遂げた東福岡高の森重潤也監督は、今回の登録メンバー17名と250名を越える他のメンバーたちが今後、また競争してチーム力を高めることを期待した。

 17年ぶりの全国制覇を成し遂げた昨年のチームが日本一を取るチームの「基準」だった。MF中島賢星(現横浜FM)やMF増山朝陽(現神戸)、FW赤木翼(現九州産業大)ら高いレベルの個がいた昨年とは違う。今年は多くのことを選手たちに要求し、反復練習をこだわってやり続けてきた。それを地道に続けて成長してきた選手が全国大会の登録メンバーとなり、全国舞台でその力を最大限に発揮した。指揮官は「優勝するチームっていうのを去年をベースにしたら今年のチームは足りないところがいっぱいあると思っていましたし、ただ、優勝するチームというのはこういうチームなんだと知っている分、普段から厳しいことを要求していましたし、そういう中でついてきた彼らが17名のエントリーに残って本当に戦ったんじゃないかと思います」と説明。掴んだ優勝とはまた違う形で成し遂げた全国制覇を「本当に嬉しいですよ。優勝するチームではないと思うけれど、選手たちが頑張ったと思う」と喜んだ。

 昨年は圧倒的な強さで夏の日本一に輝いた一方、油断が出てしまった部分がある。結果選手権では全国大会3回戦で静岡学園高に0-3で敗戦。夏から冬に掛けてもっと成長できたのではないかと選手たちは感じている。だからこそ「ここで満足しない」や「奢らずに行く」という声がチーム内からは出ていた。また、昨年を知る選手たちが残っているのは強み。MF中村健人主将(3年)は「今年は自分が経験している分、自分だったり、脇野(敦至)だったり、餅山(大輝)だったり、去年からAチームで出ている選手が去年の経験だったり、意見を活かして声かけたり、練習から意識を変えていきたい」と誓う。

 U-17日本代表GK脇野敦至(3年)は早くも選手権での日本一を誓った。「(昨年も一昨年も)3回戦で連続で負けているんで、そこは先輩たちの壁を越えて絶対に優勝したいと思います」。最大の目標は選手権での全国制覇。そのために夏の王者はより意識を高めて、競争して冬を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
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