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[MOM1449]九州国際大付DF渋田惇史(3年)_“長所は声”のCBが最終ラインからチームを指揮

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.15 ミズノカップU-18IN熊本準決勝 玉野光南高 1-1(PK1-3)九州国際大付高 大津町総合運動公園陸上競技場]

 九州国際大付高の最終ラインにはもうひとりの“指揮官”がいる。「自分のできることは声出してチームを盛り上げて1対1に負けないこと。自分のできることをチームのために一生懸命やろうと思っていました」というCB渋田惇史が声でチームを鼓舞して、集中させて玉野光南高のパワーある攻撃を跳ね返した。

 ゴール前で体を張り続け、終盤でもインターセプトから自ら攻撃参加していくなど勝利への貪欲な姿勢も見せたCBについては杉山公一監督も「きょうの2試合通してのMVPは渋田。コイツがワーワー言いながら、機嫌取りながら、しゃべりながらできるし、最後インターセプトして駆け上がったりする。(試合通して)ずっとしゃべれるんですよ」と“まるで監督”のようにチームに共通理解を持たせるCBに信頼を寄せる。昨年まではボランチを努めていたが、より責任感を持たせるために今年は最終ラインで起用。渋田もそれに応えるようなプレーで勝利に貢献している。

「中学時代に長所は声だと言われるようになった。(ボランチよりも)一番後ろからだと声出して自分のいいところをもっと出せると思っていた」という渋田は「(杉山監督から)伝えられたことは自分が浸透させる。球際強くいくところは強く言って、キツイ時間は声を上げてチームを鼓舞するようにしています」。指示を正確に伝え、声をかけるタイミング、強弱も工夫しながらチームを集中させて勝利へと導いている。 

 好きな選手は元イタリア代表MFのガットゥーゾやアルゼンチン代表MFマスチェラーノ。「SBがぶっちぎられたり、チームがピンチの時に(見せ場が)『来た』と思いますね。(実は)派手なプレーが好き」というCBとしてはちょっと異質なメンタルの持ち主が、決勝でも声でチームを引き締め、“見せ場”でも相手FWを仕留めて優勝に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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