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「俺ごときの選手が…」 開き直った愛媛FW西田の84日ぶり弾が決勝点

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[8.23 J2第30節 東京V0-1愛媛 味スタ]

 開き直りが功を奏したのかもしれない。愛媛FCは東京ヴェルディに1-0で勝利し、チーム新記録の5連勝を飾った。決勝点を決めたのはFW西田剛。14試合ぶりのゴールが決勝点となった。

 得点が生まれたのは後半8分、MF藤田息吹のパスを受けたMF内田健太が左クロス。MF河原和寿のヘディングシュートはポスト左を叩く。この瞬間、西田が「ボール来い!来て!」と強く念じたボールは右足の前へ落ちた。「ふかさないように、置きに行かないように。どーんと!」というシュートはゴールネットを揺らす。この得点が決勝点となり、愛媛は勝利した。

 5月31日の第16節・横浜FC戦(3-0)以来、84日ぶりのゴール。西田は「めっちゃゴールが欲しかったので、本当に良かった」と笑顔をみせると、“無得点期間”の胸中を明かした。

「俺、開き直ったんですよ。もちろんゴールは欲しいんですけど、俺ごときの選手がコンスタントに点を取れないとかどうとか言ってても仕方がないと。俺なんか、そんなもんやろって」

 その姿勢が「良かったのかも」と84日ぶりの得点を決めたFWは笑う。開き直ったことで気負いがなくなり、がむしゃらにプレーした結果、今回のゴールが生まれたのかもしれない。

 試合後、愛媛の木山隆之監督は「チームを勝たせる、最後まで守備をして守りきるという勇気を与える得点だった」と西田のゴールを振り返り、「前半の上手くできなかったプレーは僕の中ではあまり気にならなかった。彼はキャプテンでチームを勝たそうと責任感を持ってやっているプレイヤー」と高く評価した。

「久しぶりに1点取ってくれた。これまでも点は取れていないが、お膳立てしてチャンスをつくったり、彼が頑張って守備することだったりで、チームは勝ってきている。本当に頼もしいキャプテンです」

 指揮官から賛辞を送られた西田だが「それは監督の気遣いというかフォローですね。俺はただヘタクソなんで」とおどけて話す。それでもピッチ上での頼れるキャプテンは今後を見据えると「今のスタンスを曲げずにやるだけ。自分たちのやるべきことをするだけです」と精悍な顔つきで語っていた。

(取材・文 片岡涼)

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