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[関西U-16~Groeien~2015]個性的な選手並ぶ神戸弘陵、大阪桐蔭との上位対決制す!

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[8.27 関西U-16~Groeien~2015第8節 大阪桐蔭高 1-3 神戸弘陵高 伊勢ヴィレッジA]

 関西地域の強豪10校の1年生たちが長期にわたるリーグ戦を通して成長を目指す「関西U-16~Groeien(育てる)~2015」は27日、伊勢フットボールヴィレッジで第8節を行い、首位の神戸弘陵高(兵庫)が3位・大阪桐蔭高(大阪)に3-1で逆転勝ち。神戸弘陵は得失点差で興國高を1点下回ったものの、首位・興國と同じ勝ち点19で28日の最終節を迎える。

 負ければ優勝が厳しくなる大一番。森洋平コーチが「いい個性を持ちながらチームの中で差なくやることができている」という神戸弘陵がリーグ終盤戦の上位対決を制した。今春のオーシャンフィールドU16カップ(茨城)では準決勝で日大藤沢高(神奈川)、決勝で流通経済大柏高(千葉)をいずれもPKで破るなど優勝。全国レベルの1年生大会を制した期待の世代は、同大会で関東勢のプレスの速さなどを学び、トレーニングでは連日のように行われてきたという15分間の紅白戦などで力磨いてきた。そして「関西U-16~Groeien(育てる)~2015」で着実に成長を遂げていることを示した。

 前半から勢いを持って相手を飲み込みにかかった神戸弘陵に対し、大阪桐蔭は凌ぎながら徐々に縦パスの本数を増やして攻め返して行く。そして前半45分、大阪桐蔭はMF北田ダイアが右足で上げた左クロスをファーサイドからゴール前へ飛び込んだMF大深拓海が左足でゴールへ沈めて先制点を奪った。

 FW今岡陽太ら主軸3人がAチームに帯同しているため不在の大阪桐蔭だが、後半立ち上がりも得点ランキング首位のFW菊井悠介へ縦パスを入れながら攻撃を組み立てていく。だが後半開始から4人をスイッチした神戸弘陵が1チャンスを活かして流れを引き寄せる。9分、敵陣中央で獲得したFKからクイックリスタート。MF上月翔聖からDFラインの背後へ送られたボールに反応した交代出場FW立岩玄輝が左足でゴールへ流し込んで同点に追いつく。

 相手の足が止まった隙を突いた一撃で同点とした神戸弘陵はさらに11分、中盤で高い技術を示していたMF山岡柊威のループパスで抜け出した立岩が右足ループシュートを決めて逆転に成功する。「相手に勝ち越された時に自分たちから崩れて、そこからなかなか上手く自分たちのペースにもっていけなかった。僕たちボランチがもっとパスコースに入って起点になれれば勝ち越されても自分たちのサッカーで追い越せていくと思う」と大阪桐蔭の北田が悔しがったのに対し、その後も巧みな身のこなしのドリブルでサイドに穴を開ける10番MF渡邉一也や立岩の突破などでチャンスをつくる神戸弘陵は24分にも左サイドから強引に仕掛けたMF糟谷猛がクロス。これをファーサイドの立岩が折り返すと最後は交代出場FW住田翔が右足で決めて3-1とした。

 大阪桐蔭も連係から前線へ駆け上がった右SB中山宙の右足シュートやMF福島翔太のヘディングシュートなどで反撃するがGK眞野翔太や攻守で躍動感あるプレーを見せていたSB今井涼太らが守る神戸弘陵のゴールをこじ開けることができず。一方、優勝争いをリードするために得点数を伸ばしたい神戸弘陵は終盤もビッグチャンスをつくったが糟谷の左足シュートがポストを叩き、CB中垣智博の決定的な右足シュートがGK正面を突くなど4点目を奪うことができなかった。立岩は「もっと点決めれていたら良かった」と首を振ったが、ここまで「関西U-16~Groeien(育てる)~2015」の優勝争いをしてきている要因について「失点が多かったんですけど得点できたので良かった(リーグトップの30得点)。前の選手は能力ある選手が多いので強いと思います」と説明。神戸弘陵で「全国優勝すること」を目標に掲げる立岩は最終節もゴールラッシュと「関西U-16~Groeien(育てる)~2015」の優勝を誓った。

 一方、試合前に長時間選手同士で戦い方を話し合い、試合後も選手間で長時間のミーティングを行っていた大阪桐蔭。北田は失点から立て直すことができなかった試合について「あそこでひとつのいい声がけとかあればモチベーションとかも変わっていい方向に持っていけたと思うので、声掛けもひとつ、重要なものとして意識していきたいです」と学びを今後に活かす意気込み。いい経験の場としてきた「関西U-16~Groeien(育てる)~2015」を「なかなか公式戦の舞台は1年生は少ない。いい経験になると思うし、少しずつですけれどチームでも個人でも成長していると思います。こういう一年の試合では内容にこだわって、自分たちのサッカーを頭に入れて、失敗してもどんどんチャレンジしていきたいです」とさらなる成長を誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)
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