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リスペクトする日立台で「やっと勝てた」神戸DF岩波

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[9.2 ナビスコ杯準々決勝第1戦 柏0-2神戸 柏]

「あれだけメンバーを変えてくると思わなかった」とヴィッセル神戸のFW渡邉千真が言うように、柏レイソルは直前のJ1・甲府戦(△2-2)の先発から10選手を入れ替えてきた。それでも神戸の選手に動揺が走ることはなかったと、DF岩波拓也は試合後に語ってくれた。「監督からほとんどの選手の特徴は伝えられたし、僕も年が近い選手が多かったのでやりにくさはなかったです」。指揮官が昨季まで5年半柏の指揮を執ったネルシーニョ監督であったことは、神戸にとってプラスに働いた。

 さらに、今季のナビスコ杯グループリーグでの経験も神戸の選手の気を引き締めた。第6節で、若手主体で臨んできた清水に対し「自分たちの気持ちがフワッと入ってしまった」(岩波)ことが1-2での敗戦にもつながったという。「今日はそういうことがないように」。岩波は地に足をつけて、柏戦に臨んでいたことも明かした。

 神戸が日立柏サッカー場で勝利したのは実に6年ぶり。最後に勝利したのは、2009年8月2日J1第20節(○1-0)まで遡る。2012年入団の岩波にとっては、ようやく“鬼門”を突破した形だ。ピッチとサポーターの距離が近いこのスタジアムに対し、やりにくさを口にする選手が多い中、21歳のセンターバックには別の感情が込み上げていた。「自分は逆にそこを楽しむ気持ちできた。チームは違いますけど、(柏の)サポーターをリスペクトしている。スタジアムの雰囲気はいい」と賛辞を贈る岩波は、「やっと勝てた」と会心の勝利に胸をなでおろしていた。

 2つのアウェーゴールを奪ったことで、ホーム・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場での試合は優位に進めることができるが、岩波は細心の注意を払う。「先に失点すると少し難しい状況になる。上手くボールを回しながら、隙があれば点を取りに行きたい。引き分けを狙うわけじゃないので、次も勝てればそれがベスト。まずは勝ちに行く準備をしたい」。

 神戸がクラブ史上初となる準決勝進出をかけて戦う第2戦は6日20時キックオフだ。

(取材・文 奥山典幸)

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