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名古屋、PK戦直前に守護神下げる奇策実らず…「流れを少し変えようと」

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[9.6 ナビスコ杯準々決勝第2戦 名古屋2-2(PK9-10)G大阪 パロ瑞穂]

 指揮官の奇策も実らなかった。名古屋グランパスはガンバ大阪に2-2から突入したPK戦の末に敗れ、ナビスコ杯敗退が決定。大会初制覇の夢は、またも潰えてしまった。

 1-1で突入した延長戦。名古屋はG大阪に延長前半4分のゴールで先行を許したが、同15分にDF田中マルクス闘莉王が執念の同点ヘッドを叩き込み、試合を振り出しに戻していた。勢いづいた名古屋は逆転ゴールこそ奪えなかったが、そのままの勢いで延長後半も戦い抜いた。

 しかし最終盤、名古屋の西野朗監督が動いた。残っていた3枚目のカードとして守護神・楢崎正剛に代えて2番手GK高木義成を投入。公式サイトによると、西野監督はその意図を次のように話した。

「高木に任せたいという気持ちはありました。楢崎のペナルティエリアでの反応の良さもありますが、それを逆にとり自分の中で流れを少し変えようと思いました。昨年の天皇杯(※)のPK戦の事もあり、高木の良さも含め彼を起用しました」

 だが西野監督の思いとは裏腹に、PK戦は両チーム譲らない死闘になる。投入した高木もコースこそ読むがGK大阪のPKを止めることができない。6人目を互いに失敗したPK戦は、ついに11人目のGK対決に突入。そこで先攻の名古屋は高木がクロスバーに当てたのに対し、G大阪GK藤ヶ谷陽介は成功。ここでようやく勝敗が決した。

 結果的に奇策は裏目に出てしまった。そして疑問として残るのは、元日本代表の守護神を代えることは当初から考えていたことだったのかということだ。指揮官は「プランの一つではありました。拮抗している中で最後に変化をつける形で高木を使うという考えは最初からありました」と説明。「余程悪い状況になったり、負傷者が出た時には別のプランも考えていましたが、決して悪い流れではなかったので高木を起用しました」と迷いがなかったことを強調した。

 ナビスコ杯初優勝を目指した名古屋。予選リーグを圧倒的な強さで勝ち上がり、今年こそはの思いは強かっただけにショックは大きい。西野監督も「準々決勝まで戦い抜いて結果が出なかった事に対するダメージは非常に大きい」と落胆。「チーム力も問われますが、次の天皇杯に向けてしっかりとチームを立ち上げていかないといけません」と話したものの、尾を引く敗戦になりそうだ。

(※)昨年10月11日の天皇杯準々決勝の清水戦。PK戦までもつれ込んだが、楢崎が5人全員にPKを決められて敗退した。

●ナビスコ杯2015特設ページ

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