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新婚弾より確実にゴールを! 2アシストのF東京MF東「一番良い選択肢だった」

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[9.12 J1第2ステージ第10節 F東京3-0神戸 味スタ]

 自分でゴールを狙うこともできる状態だった。2-0で迎えた後半33分、MF東慶悟は中盤からMF高橋秀人が出したスルーパスを受けてゴールに迫る。直前には相手守備に阻まれて惜しくも得点にはならなかったものの、ヴィッセル神戸ゴールを脅かすシュートを放っていた。自分でもゴールを狙えた場面だったが、東は攻め上がって来たFW前田遼一にパス。前田がこのボールをゴールに流し込み、ハットトリックを達成した。

 2-0で迎えた試合終盤。途中出場した選手であれば、強引に結果を出しにいってもおかしくない場面だ。加えて、この試合の一週間前、東は一般女性と入籍をしていた。決めれば新婚メモリアル弾になっていたが、彼が最優先したのは自身のメモリアルゴールではなかった。

「自分で打とうかなと迷いました」と、東は3点目の場面を振り返る。「でも、(前田)遼一さんが2点取っていたのもあったし、一番可能性の高いところを僕自身は選択して、遼一さんが決めてくれたので良かったです。無理して打つこともできましたし、みんな結婚・入籍してというところで期待してくれたところもあると思いますが、常に冷静でいたいし、グラウンドに立てばチームのためにやりたい。一番良い選択肢を結果的に選べたと思うので、良かったと思っています」。

 途中出場という立場には、決して満足してはいない。ピッチに立ってからは後方からボールを引き出し、攻撃を活性化して多くのチャンスをつくっていた。

「いつも通りやっているだけです。左サイドに入って、タメをつくるときはタメをつくって。自分のプレーを常にやろうと思っているので。チームのためにやることで、チームが良くなると思う。特に意識してやったことはないです。裏に走ることも、常に意識していること。ボールを取った瞬間やボランチが良い形でボールを持ったときに裏に飛び出して、相手がついてくればFWが空く。当たり前のことをやれば、チャンスは生まれると思うので。そういうことをもっともっとこだわってやっていきたい」

 新婚生活については「サッカーにより集中できるし、いいですね。帰って、誰かがいるっていうのは、自分的にも明るくなるし。一人暮らしだと帰っても家が真っ暗なんで。すごく充実しています」と話す。残念ながら、この試合を奥さんは観戦できず。「2アシストなので、合わせて1ゴールに記録変更してもらえませんかね(笑)」と、冗談を飛ばした東だが、「(妻が)落ち着いて試合に来てくれたときには、また良いプレーをしたいです」と、チームの勝利に満足の表情だった。

(取材・文 河合拓)

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