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[プリンスリーグ東北]柳原2ゴールで聖和学園に完勝!尚志がプリンス東北初優勝決める

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[9.19 高円宮杯プリンスリーグ東北第17節 聖和学園高 0-2 尚志高 泉パークタウン スポーツガーデン サッカー場]

 19日、「高円宮杯U-18サッカーリーグ2015プリンスリーグ東北」第17節が行われ、前節まで勝ち点40の首位・尚志高(福島)と、勝ち点36で3位の聖和学園高(宮城)が泉パークタウンベガルタ仙台練習場で対戦した。

 ちょうどこの試合の前に同会場で勝ち点38で2位・ベガルタ仙台ユースが敗れ、今節勝てば優勝することが決まった尚志。「出た結果は俺が全部責任取る。行ってこい!」と強い口調で尚志・仲村浩二監督は選手たちを送り出した。

 試合はすぐに動いた。4分、DF茂原巧朗(3年)のクロスがファーサイドのMF柳原隆二(3年)のところに流れてきて、柳原のふわりとしたヘディングシュートがゴールに吸い込まれ、尚志が先制した。

「あれで楽になった。技術で聖和さんに勝てる高校はないと僕は思っているので、最後の最後やられないでボールを奪えれば、うちにもチャンスが来ると思った」と仲村監督が語る通り、無理して攻めなくても良くなった尚志は、自陣でブロックを組んでカウンター攻撃という戦い方を徹底した。聖和学園は自慢のドリブル突破を生かした攻撃で相手陣内に攻め入ったが、ブロックを固めてスペースを消す尚志の守備陣をなかなか崩すことができず、前半は1-0と尚志リードで終えた。

 後半は聖和学園主将のDF丹野裕太(3年)が「前半尚志はブロックを作って持ち味を活かせなかった。後半はサイドにボールを出して中が空いたところをドリブルで入って、ヒールなどで関わりを作った」と語る通り、聖和学園もチャンスを作ったが、尚志はDF井出隼人(3年)、DF林純(3年)のCBコンビが粘り強く守った。尚志は8月以降、レギュラーのCBで主将のDF茂木星也(3年)、DF渡邊康平(3年)がいずれも負傷欠場。井出と林が先発出場するようになったが、「ケガ人やメンバー外の人のために戦った」と井出は必死の守りを見せた。

 井出と林の活躍について仲村監督も「これがうちのチームの特長。下のチームも全員しっかりやっている。F1(福島県リーグ1部)リーグのセカンドチームもF2リーグのサードチームも優勝して、うちが優勝してプレミアに上がれれば、プリンスやF1と上のカテゴリに上がれるのでそれを目標にやっていた。下のカテゴリで活躍すればすぐに上に入れるようなチームづくりをしていたので、ケガ人が出た時も活躍できる」と層の厚さを誇った。

 我慢強く1-0のまま試合を進めた尚志は後半40分、待望の追加点を得た。右サイドでボールを受けた柳原がゴール前へカットイン。そのままゴールを決めて2点目。「ボールをもらった時から自分が行ってやろうと思った。相手を一人かわせたのであとは思い切り打つだけだった」と試合を決定づけるゴールを振り返った。

 最後まで粘り強く聖和学園のドリブル攻撃を封じ込めた尚志が2-0で勝利し、最終節を待たずに初優勝を決めた。

 前節、リーグ残留争い中の山形ユースに敗れる波乱があったが、仲村監督は「前節、山形ユースに負けたが、『一喜一憂するな』と言ってきた。毎週毎週自分たちがやってきた練習は嘘をつかないので、山形戦で結果が出なくても今週一生懸命やって『最終節の仙台ユース戦で決戦だ』、と言ってきたが、(仙台ユースが敗れ)今日たまたま優勝が決まった」と、うまく切り替えたができたことを勝因に挙げた。

 現在大会得点ランキング首位のFW小野寬之(3年)は今日はゴールこそ無かったが、「自分で点を取ることもそうだが、チームのためにアシストも狙って、チームが勝つためのプレーを心掛けたい」とフォアザチームの精神を前面に押し出した。昨年最終節で聖和学園に敗れ、仙台ユースに逆転されて優勝を逃した悔しさを知るメンバーも多い今年のチーム。全員がチームのために戦い、勝ち取った初の栄冠に喜びはひとしおだった。

 12月11、13日に行われるプレミアリーグ参入戦に勝利すれば5年ぶりのプレミアリーグ復帰となる。「プレミアリーグに初年度出させてもらったが、Jやオリンピックで活躍した選手と戦えた。その舞台にもう一度戻れれば幸せ(仲村監督)」「絶対にプレミアに行けるように練習から頑張りたい」(柳原)、「昨年は参入戦行けずに終わったので、挑戦者の気持ちを持って絶対勝って次の代をプレミアに上げたい」(小野)と監督、選手共にプレミア復帰に向けての意気込みは強い。参入戦突破を期待したい。

 一方、敗れた聖和学園の丹野は「どこのチームもブロックを作ってくると思うので、どこの相手でも崩せるドリブルをして、シュートを増やせれば点を取れる。選手権までに修正したい」と既に意識は選手権宮城県大会へと向いていた。自陣でブロックを作る相手との対戦が続くだけに、今日の試合を良い教訓として選手権に臨みたい。
  
(取材・文 小林健志)
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