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[MOM1494]市立船橋DF白井達也(3年)_DFリーダーが「何とか触ってやろう」の思いでCKから再び貴重なゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.19 高円宮杯プレミアリーグEAST第15節 流通経済大柏高 1-2 市立船橋高 流通経済大柏高G]

 今年はプレミアリーグ前期の清水ユース戦や全国高校総体出場を懸けた千葉明徳高戦でCKから決勝ヘッドを決め、全国高校総体準々決勝・滝川二高戦でもCK後の流れから先制ゴールを決めている。市立船橋高のDFリーダー、CB白井達也が流通経済大柏高とのライバル対決で決勝ゴール。セットプレーでの強さを発揮してチームに勝ち点3をもたらした。

 1-1に追いついて迎えた後半26分、白井はMF工藤友暉の右CKを頭でゴールへ沈めて決勝点。右手を突き出して喜んだCBはタッチライン際まで迎えたサブ組の選手たちと笑顔で抱擁した。

 一般的にはセットプレーでタイミング、ポジショニングの駆け引きがある。だが、白井はすべてではないとは言え「(ゴールを)決めている時はあまり何も考えずに飛び込もうという気持ちで。そういう時に結構決めている印象があるので、ここにこうやって入ってやろうというのはないですね。何とか触ってやろうという時にいいボールも来るし、当てられることが多いですね」という。この日も「何とか当ててやろう」という思いが結実して決勝ゴールとなった。

 そして守備面では流経大柏のパワフルな攻撃に対応。3バックの中央で空中戦、カバーリングで奮闘した。勝ち越した後の終盤、相手はCB2人を前線に上げてパワープレー。だが「(流経大柏の)CB2人はジャンプも高いし、そらしてという意図だったと思う。身体を合わせるよりも飛んでくる。でも高さで跳ね返していければシャットアウトできる」というCBは、空中戦でやや相手の良さを出させてしまっていたものの、杉岡大暉、原輝綺との連係でゴールを許さず。自らのゴールを決勝点とした。

 昨年から主力CBを務めているが、やや安定感に欠ける部分があった。春先の時点では朝岡隆蔵監督も白井のミスで失点することも覚悟していたが、白井は先発起用される中で進歩し、今やDFラインのリーダーとなっている。指揮官も「プレミアの(序盤)6節で一番伸びたんじゃないですか」とプレミアリーグの前半戦で一番の成長株として認めるほど、PAで戦って高さ、強さを発揮し、気の利く守備含めて総合的にレベルの高いCBへ成長。この日の前半はリーダーシップを発揮できなかったことを悔やんでいたが、「個人的にはヘディングも夏はクリアの質とかロングボールの精度とかが個人的な課題だった。きょうはチーム全体として、クリアの質とか、ひっくり返すプレーとか、こぼれ球を拾ったりとか、そういう戦いでは勝てていたし、精度の高いクリアも自分も含めてできていたと思う」と納得の表情を浮かべていた。

 より「精度にこだわりたい」と誓う白井がより逞しく、より質の高い守りで市船の堅守をより盤石なものとし、特長のひとつとなっているセットプレーからの得点でチームに歓喜をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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