beacon

J-22初招集も不発…FW浅野「半分の力も出せていない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.23 J3第30節 町田 1-0 J-22 町田]

 東アジア杯で日本代表デビューを果たしたアタッカーも、この日は見せ場を作れなかった。JリーグU-22選抜の1トップの位置に入ったFW浅野拓磨(広島)は、後方から送られる決して精度の高いとは言えないロングボールを追い掛け回し、前半45分だけでピッチを後にした。

 ボールを保持する時間こそ長かったJ-22だが、町田守備を崩し切れない。ボールを右から左、左から右へと動かすものの、効果的な縦パスを配球できず、最終ラインの裏を狙ったロングボールを放り込む。しかし、精度を欠いたボールは相手へと渡り、好機に結びつけられなかった。裏への飛び出しに何度もチャレンジした浅野は、味方とのタイミングが合わなかったと話している。「裏を狙うにしても、相手のカバーリングの選手が走っているくらいのタイミングでしかボールが出てこなかった」。

 発足当初から手倉森ジャパンに名を連ねる浅野。J-22には初招集となったが、今回のメンバーの多くは手倉森ジャパンの常連だ。しかし、「工夫をして崩すという部分は、集まってすぐにはできないところだと改めて感じた」と話すように、特に崩しの部分でのイメージが共有しきれていないようだ。そのため、「一人ひとりが難しいと感じてプレーしていると思うし、半分の力も出せていない」と声を落とした。

 来年1月に行われるリオ五輪アジア最終予選まで残された時間は少なく、「これからも長い間、集まれることはないと思う」。限られた時間の中で大事なことは、「一人ひとりがすべきことを100パーセントやり、個々をレベルアップさせること」と個々のレベルアップをチーム力の向上につなげていかなければならないと表情を引き締めた。

 今回同様にU-22日本代表を大量招集したJ3第24節秋田戦ではスコアレスドローに終わり、8月の京都合宿ではJ2京都に1-2で敗戦。そして、町田に0-1で敗れたことで「危機感をすごく感じている」と話したが、下を向いてはいられない。「もちろん、危機感は皆感じていると思いますが、それ以上に期待という部分もあります。残り少ない時間で自分たちがどれだけできるのかという楽しみはある」と語ると、「それを楽しみで終わらすのではなく結果として表していきたい」と視線を上へと向けた。

(取材・文 折戸岳彦)
▼関連リンク
[J3]第30節 スコア速報

TOP