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極上のシーソーゲーム!川崎Fが合計8ゴールの大乱戦制す!!大久保は2発でゴンまであと3ゴール

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[10.4 J1第2ステージ第13節 川崎F5-3G大阪 等々力]

 等々力陸上競技場に詰め掛けた2万4300人のサポーターがゴールラッシュに酔いしれた。川崎フロンターレはホームでガンバ大阪を5-3で撃破。大乱戦を制して4連勝を決めた。

 開始わずか2分、いきなり試合は動いた。川崎Fは左サイドを突破してエリア内に侵入したMF中野嘉大がマイナスに折り返す。人数をかけて走り込んでいた川崎Fは、FW大久保嘉人が右足に当てて押し込み、あっという間に先制。エースの2試合ぶりとなるJ1通算153得点目で試合を動かした。

 その後も川崎Fペースで試合は進む。ただ、前半10分の大久保の左足ミドルをGK東口順昭が横っ飛びセーブ。同23分のFKを頭で合わせたFW小林悠のヘディングシュートも枠上。直後にもカウンターからMFエウシーニョがビッグチャンスを迎えたが、決めきることは出来なかった。

 対するG大阪はアウェーで戦ったACLの広州恒大(中国)戦から中3日。疲れからか、なかなか川崎Fの組織だった守備を崩すことが出来ない。最初、トップの位置にいたFW宇佐美貴史が中盤まで戻ってボールを受けるなど、リズムに変化を与えるが、風向きが変わることはなかった。

 しかし前半42分、G大阪はこの試合、ファーストチャンスといっていいプレーをものにする。左サイドで宇佐美のタメからMF遠藤保仁にボールが戻されると、遠藤はシュート性のボールをゴール前に入れる。飛び込んだDF岩下敬輔がブラインドになったのか、GK新井章太の弾いたボールは中途半端にゴール前にこぼれる。これをFWパトリックが押し込み、同点に追いついた。なお、この得点はG大阪のアウェー通算600得点の節目ゴールとなった。

 追いつかれた川崎F。スタンドの雰囲気も1-1で折り返し、後半の戦いに思いを巡らせ始めた前半アディショナルタイム3分、背番号14が圧巻ゴールで盛り上がりを最高潮にしてみせる。中央ミドルレンジでボールを持ったMF中村憲剛が右足一閃。弾道の低いシュートは、左ポストを叩きながらゴールネットに収まる。日本代表GKも一歩も動けない完ぺきなシュートが、前半ラストプレーで生まれた。

「寄せが甘い」「もっと戦う姿勢を見せろ!」と、長谷川健太監督が檄を飛ばしたG大阪は、後半からMF大森晃太郎を下げてMF明神智和を投入。遠藤を高い位置に上げて、同点ゴールを目指す。

 しかし次の得点も川崎Fに入った。後半10分、ドリブルでエリア内に入った中野が相手を外してシュートコースを作って右足を振り抜く。これがゴール左隅を捕え、勝利に近づく3点目となった。今季より加入した中野はうれしいプロ初ゴールになった。

 ただG大阪も諦めない。後半20分のパトリックの突破からこぼれたボールを宇佐美が狙ったボールはGK新井に防がれたが、そのプレーで得たCKをパトリックがドンピシャヘッドで合わせて、再び1点差に迫る。そして後半27分、右サイドからDF米倉恒貴がクロスを上げると、一番遠いサイドで余っていたMF倉田秋が右足に当てて流し込み、試合を振り出しに戻した。

 これ以上ないシーソーゲーム。決着を付けようと2万4300人のサポーターも必死になって声援を送る。すると後半30分、川崎Fは、昨日、入籍していたことを発表したDF車屋紳太郎の突破がエリア内で米倉のファウルを誘発。これを大久保が決めて、勝ち越しに成功。この日2点目を突き刺した大久保は今季21点目。ここ4試合で6点目と宇佐美を一気に抜き去り、得点ランキングでも単独トップに浮上。J1通算得点は154。1位の中山雅史氏の157ゴールにあと3点と、今季での更新を完全に射程圏内に捕えた。

 さらに川崎Fは後半37分、右サイドで粘った大久保のクロスをエウシーニョが決めて5点目。ここ4試合で16得点の大爆発。4連勝で年間勝ち点でも4位のG大阪に1差に迫る53に伸ばした。

(取材・文 児玉幸洋)


●[J1]第2ステージ第13節2日目 スコア速報

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