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憲剛が感じた「下手くそだった」パトリックの成長…「努力したんだと思う」

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[10.4 J1第2ステージ第13節 川崎F5-3G大阪 等々力]

「パワーがあったし、ヘディングは強かった。だけど日本に来て上手くなった。もっと下手くそだった。トラップとかも本当にどっか行っちゃうし。オフサイドとかもずっとライン上にいちゃうし。そういう意味では日本の緻密さ、勤勉さを彼は3年かけて学んで、いま日本のトップチームで引き出してもらっている。すごい努力したんだと思う」

 現在、ガンバ大阪に在籍するFWパトリックは、2013年に川崎フロンターレに入団し、日本でのサッカー生活をスタートさせた。しかし、上手く川崎Fのサッカーに馴染めず途中出場ばかりが続き、リーグ戦の出場8試合で2ゴール。同年7月には甲府に移籍した。甲府ではレギュラーとして活躍するも、16試合で5得点。シーズン終了後に契約満了となり、退団した。

 しかし14年はブラジルに戻ってプレーしていたが、夏に攻撃力強化を模索していたG大阪によって、日本に呼び戻された。前年に日本で1年間プレーしていたこともあり、才能はすぐに開花。9得点を挙げてリーグ制覇、さらには国内3冠を獲得する大きな原動力となった。パトリックは今季もG大阪の攻撃をけん引。今や、パトリックの調子がG大阪の出来を左右するとまで言われるほどのキーマンに成長した。

 そんなブラジル人助っ人の成長に目を細めたのが、川崎フロンターレのMF中村憲剛だ。憲剛はパトリックについて、「多少、上手くなったんじゃない」と分析。理由については、「ガンバの上手い選手がパトリックを上手く使っている。ウチに来たときは日本のサッカーに馴染めていなかった。パトリックが良い悪いではなくて、彼のストロングポイントとウチのやりたいことが違っていた。パトはいいチームに入ったなと思います」と話した。

 ただそこには、文頭のようにパトリック本人の努力があったことを認めている。4日の対戦で2ゴールを決められたこともあり、「素直に喜べない」と苦笑いを浮かべるも、「ああいう選手がいると、こっちも面白い」と話を展開。「強くて早くて。相変わらず上手くはないんだけど、やっぱり怖いよ。ああいう一発でガンと行ける選手が、いま日本にいないから。こういう戦いは見る人も楽しいと思うし、個で強い人たちがいっぱいいるチームのほうが面白いから。頑張ってほしい」と元同僚にエールを送る。しかし最後は「ウチ以外でね」としっかり願望も込めていた。

(取材・文 児玉幸洋)

●[J1]第2ステージ第13節2日目 スコア速報

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