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クラブで苦しむ高徳「準備はできている。アピールを…」

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 厳しい立場にいることは理解している。今季からハンブルガーSVに移籍した日本代表DF酒井高徳だが、開幕から7試合連続で出番がなく、今月3日のヘルタ・ベルリン戦(0-3)に後半から途中出場し、開幕8戦目で移籍後初出場を果たした。

「出られたことはうれしいことだけど、チームの結果が付いてこなかった。個人的には試合ができたことが一番良かった」。ようやく今シーズンの第一歩を踏み出したが、クラブ同様、代表でも厳しい競争が待っている。

 ハリルジャパンでは3月31日のウズベキスタン戦(5-1)にフル出場したのを最後に試合から遠ざかっている。ただ、今回は9月のW杯アジア2次予選2試合に先発したDF酒井宏樹がケガのため不在。バヒド・ハリルホジッチ監督は右サイドバック候補として酒井高徳とDF塩谷司の2人を招集した。

 指揮官は所属クラブで出番に恵まれていない酒井、そしてDF長友佑都を招集した理由について「彼らのプロフェッショナルな意識は十分理解している。普段のトレーニング以上のトレーニングをいつもやってくれている。そして自分のパフォーマンスを維持してくれている」と説明。同時に「もちろん、彼ら以上のパフォーマンスを出す選手を見つければ、彼らの席はなくなる」とも付け加えた。

 クラブでレギュラーにならなければ、いずれ代表の“椅子”も失う。酒井自身、その危機感は常に持っている。「監督は試合に出てない選手より試合に出ている選手を100%だと見ている。その感覚は僕自身、賛同している」。だからこそ、そうした状況の中で招集してくれた監督の期待に応えたいという思いも強い。

 右サイドバックを争う塩谷は、所属する広島でコンスタントにプレーしている。酒井は「監督が今回もその考えを続けるかどうかは分からないけど、自分としてはいつでも試合に出られる準備はできている。その中でアピールもしていかないといけない」と、静かに闘志を燃やしていた。

(取材・文 西山紘平)

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