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チーム最多3本のシュートを放った湘南MF山田「僕たちのやりたいことはできた」

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[10.10 天皇杯3回戦 湘南2-3松本 BMWス]

 どちらに転がってもおかしくない一戦だった。敗れた湘南ベルマーレチョウ・キジェ監督は、2-3で敗れたもののチームのパフォーマンスを前向きに捉えていた。

「今日はJ2以外で天皇杯をやっているのは、われわれと松本さんだけ。非常に恵まれている中で良いゲームをしようと思っていました。立ち上がりから自分たちのビルドアップの形を変えたり、前でフタをしたりとか、相手のストロングが長いボールのセカンドボールの奪い合いということは分かっていました。おおむね前半の点を取った形とか、90分を通して自分たちでボールを動かしながら、ミドルなのか、クロスなのか、ワンツーなのか、セットプレーなのか、多彩な攻撃を仕掛けたいと思っていたのですが、それは選手たちが勇気を持ってやってくれました。負けたのはすごく悔しいですが、今年やった中でも、対松本さんの試合では内容的にはベターな試合ができたと自分では思っています」と、試合を総括した。

 序盤は松本山雅FCのロングボールと素早い寄せに苦しめられるが、前半14分には左サイドの高い位置までボールを運び、そこからFW藤田祥史、MF山田直輝、MF菊池大介とつなぎ、最後はMF菊地俊介がミドルシュートを突き刺した。しかし、その4分後に同点ゴールを決められると、後半にも2点を許す苦しい展開になり、終盤の反撃からFW高山薫が1点を返すにとどまった。

 2-3という結果で湘南は敗れたが、松本も、湘南も、互いにやろうとしたことを出せた試合だった。前向きなコメントを残したチョウ・キジェ監督に、この試合で両チーム最多の3本のシュートを放った山田も同調する。

「天皇杯という大会だったので、90分でも120分でもPK戦でも勝つことがチームの目標でした。それが達成できなかったことは悔しく思います。僕たちのやりたいことはできていましたが、結果的に相手のやりたい縦に当てて、前の選手の力で点を取るという形から失点してしまったので、もっともっと力を上げて相手を上回らないといけないと思いますが、自分たちの良さも出せたのでマイナスに考えるだけではなく、できたことをリーグ戦で生かさないといけないと思います」

 具体的に自分たちができたことを問われた山田は「人数を掛けて攻めたり、ショートカウンターで攻めたり、全員で戻るところは戻ること。それができたし、運動量でも、球際でも負けていなかったと思います。そういうところは続けていきたい」と、繰り返した。

 この日の敗戦で、湘南の公式戦はリーグ戦4試合を残すのみとなった。次節のF東京戦を引き分け以上の結果で終えられれば、残留を確定できる。「残り4試合、強豪を相手にどれだけ立ち向かえるかが試される試合になる」と、チョウ・キジェ監督は気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

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