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[MOM1519]国際学院MF島崎翔輝(1年)_「自分が行くしかない」交代出場の1年生が劇的V弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 全国高校選手権埼玉県予選決勝T2回戦 浦和南高 2-3 国際学院高 埼玉スタジアム第4G]

 ベンチスタートだった国際学院高MF島崎翔輝(1年)は2-2の展開が続く中で「出られないんじゃないか」という想いもあったという。だが、後半31分に前線の選手が足を攣らせたことに伴い、ピッチへ。イレギュラーな部分があったとは言え、出場機会を掴み、「点を決めて最後終わろう」と得点を狙って入った1年生MFが劇的な決勝ゴールを決めた。

 後半39分、国際学院は左サイドからMF大和田陸(3年)が弾道の低いクロス。これを右サイドから「自分が行くしかない」とFWを追い抜いて一気にニアサイドまで走り抜けた背番号21がスライディングで合わせた。歓喜の決勝ゴール。セオリー通りであれば、右SHに入った島崎はファーサイドへ流れてくるボールの仕留め役だが、このシーンではFWの選手の疲労を考え、また自身のスピードを活かしてFWを追い抜いた島崎は一気に最前線まで駆け抜けて、ゴールを破った。
 
 県2部リーグでは先発出場もしている島崎だが、なかなかゴールを奪うことができていなかったという。そこで意識していたのはクロスの練習でシュートを打つ側である中央の選手の動きを真似ること。FWでのプレーではなく、SHやSBを本職とする島崎はクロス練習ではクロッサーとしてボールを上げる側の役割だが、得点を奪うために学ぼうとしてきた姿勢が実を結んだ。

 大宮アルディージャジュニア時代は全国3位を経験。だが、強豪の中ではなかなか出場機会を得ることができず、ジュニアユースに昇格することもできなかった。中学時代に所属したFC ASASでは課題改善に取り組んだ。

「中学時代、しっかりやって高校で活躍したいと思った。小学生の時にあまりスピード、身体とか自信持てなくて、中学入ってまずはスピードと身体つけたいと頑張ってやってきて、今は自信を持って臨んでいます」。悔しさも持って力を磨いてきた中学時代に自力をつけ、中学卒業時には大宮ユースのコーチを務めていた酒井宏治監督との縁もあって新興の国際学院への進学を決意。この日は磨いてきたスピードで大仕事をしてのけた。「3年生の力になれたんで良かった」というMFが3回戦でも出場チャンスを掴んで、再び勝利に貢献する。

[写真]後半39分、国際学院はMF島崎(21番)が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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