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[選手権予選]ユース取材ライター陣が推薦する「選手権予選注目の11傑」vol.5

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特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは各地で熱戦がスタートしている全国高校選手権予選の注目選手を大特集。「選手権予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター5氏に選手権予選注目の11選手を紹介してもらいます。第5回は、“ユース教授”こと、安藤隆人氏による11名です。

 安藤氏「恒例になりつつある『選手権予選11傑』。毎回選出する際には、どういう縛りで選ぶか、それとも縛りなしで選ぶか。あの選手も良いけど、この選手も良い。すでに何人かに選ばれてしまっている場合は、その選手を止めるなど、色んな考えが渦巻いて本当に大変です。今回は考えた結果、今年はプロ内定選手が多く、3年生を入れたら、かぶってしまう選手も多くなると考え、よく自分がやる1、2年生縛りで行こうと思いました。

 今回のフォーメーションは4-3-3。GKは安定感が増してきた山ノ井拓己(静岡学園高)をチョイス。廣末陸(青森山田高)、矢田貝壮貴(京都橘高)も考えましたが、今回は山ノ井にしました。
 DFラインは誰をCBに置くかがポイントで、タビナス・ジェファーソン(桐光学園高)と杉岡大暉(市立船橋高)のコンビにして、日大藤沢や優勝した和歌山国体で神奈川県選抜のCBとしてプレーしている工藤泰平(日大藤沢高)をサイドバックに移しても面白い。だが、タビナス・ジェファーソンは今年、左サイドバックをやっており、そのまま彼を左に置いて、右に垣智也を置いて、工藤と杉岡のCBコンビが一番安定するかもしれない。CBでは190cmのソ・ヨハン(駒大苫小牧高)を入れて、高さを補強することも考えました。
 中盤はインターハイ王者・東福岡高の攻守の要・鍬先祐弥をアンカーに置き、2シャドーには藤川虎太朗(東福岡高)と高橋壱晟(青森山田高)をチョイス。ここには高宇洋(市立船橋高)も考えました。
 3トップはずば抜けた得点力を誇るリャン・ヒョンジュ(東京朝鮮高)をセンターフォワードに置き、サイドには突破力のある岩崎悠人(京都橘高)と、決定力とパスセンスが光る高橋大悟(神村学園高)を配置し、破壊力重視の布陣にしました」

以下、安藤氏が注目する11名

GK山ノ井拓己(静岡学園高2年)
「物怖じしないハートの持ち主で、大きな声でのコーチングが光るGK。セービング、キャッチングの質も向上し、求めていたビルドアップの技術の研鑽も怠っていない」

DFタビナス・ジェファーソン(桐光学園高2年)
「左サイドバックとして迫力あるアップダウンを繰り返す。躍動感溢れる仕掛けだけでなく、ヘッドと1対1の強さもあり、攻守に渡って貢献出来る」

DF工藤泰平(日大藤沢高2年)
「判断力と瞬発力に優れ、全体を見渡しながら、コントロール出来る頭脳派CB。和歌山国体は神奈川県選抜のキャプテンとしてチームの2連覇に大きく貢献し、自信をつけた」

DF杉岡大暉(市立船橋高2年)
「堅実な守備はチームに大きな安定感をもたらす。球際に強く、鋭い出足でボールを奪いきれる。U-17日本代表ではサイドバックをテストされるなど、可能性を広げている」

DF垣智也(中京大中京高1年)
「181cmの高さを誇り、高い守備能力を見せるルーキー。チームではサイドバックとしてプレー。将来的にはCB、ボランチ、サイドハーフでも活躍出来そうなマルチワーカー」

MF鍬先祐弥(東福岡高2年)
「中盤の底で幅広いプレーエリアを誇り、鋭い読みとアジリティー、そして落ち着きを持って、攻守のバランスを支える。2年生ながら攻守の要として君臨する」

MF藤川虎太朗(東福岡高2年)
「パスを出すタイミング、質が絶妙で、ギャップで巧みにボールを受けて、スルスルとシュートエリアまで持ち込んでいくプレーが魅力。非常にクレバーなMFだ」

MF高橋壱晟(青森山田高2年)
「高い攻撃センスを持つが、青森山田では守備の意識とスペースを埋める意識が高まり、攻守を繋ぐ役割もこなすことが出来る。ここでは鍬先とのコンビネーションで、質の高いプレーを見せてくれそうだ」

FW岩崎悠人(京都橘高2年)
「言わずと知れた来年の超目玉選手。U-18日本代表の一員として、AFC U-19選手権予選(ラオス)に参戦。キレのあるドリブルはアジアでも効力を発揮した」

FWリャン・ヒョンジュ(東京朝鮮高2年)
「とにかく一度見て欲しい。脅威の決定力を誇るストライカーは、バイタルエリアではまさに『虎』。迫力満点の仕掛けと、パンチ力あるシュートでゴールを射抜く」

FW高橋大悟(神村学園高1年)
「1年生とは思えない、非常に技術レベルが高く、冷静でエレガントなプレーヤーだ。常に周りを見渡し、一撃必殺のパスと、自ら持ち込んで決めきれる力を持つ」

[写真]安藤氏が注目するひとり、京都橘FW岩崎

執筆者紹介:安藤隆人
1978年2月9日生まれ。元銀行員の経歴を持ち、ユース年代は自身の大学時代から取材を続けている、この年代のエキスパート。日本列島、世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。育成年代を精力的に取材する“ユース教授”。主な著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)、『 星稜高校サッカー部優勝への軌跡―北陸のサッカーを全国へと導いた河崎護の30年』(サッカーマガジン)など。

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