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菊池とアベック弾の湘南FW古林「ユース上がりの2人の得点で残留を決められてうれしい」

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[10.17 J1第2ステージ 第14節 F東京1-2湘南 味スタ]

 試合後、チョウ・キジェ監督は右ウイングに古林将太、右WBに藤田征也という初めての配置で試合に臨んだ理由ついて「2人のスピードが必要だった」と明かした。その采配がピタリと当たった。古林は先制点をマークし、藤田も決勝点をアシストしたが、それ以外の場面でも、天皇杯3回戦の松本戦(2-3)で右WB、右CBでプレーした2人は、サイドからチャンスをつくった。

 先制ゴールの場面について、古林は「どこでプレーするにしても、チームに求められる役割をこなしつつ、持ち味を出していきたいです。FWで起用されたらああいうところを狙って行こうと思っていました」と振り返る。そして、「(藤田)征也くんと、FW、MFで並ぶのは初めてでしたが、征也くんが持ったら中に行く、右の前に張るとか、そういうことを考えながらプレーできました」と、初めての並びにも手応えを感じていた。

 試合後、チョウ・キジェ監督は右ウイングに古林将太、右WBに藤田征也という初めて試合で試みた配置について「2人のスピードが必要だった」と明かした。そして、実際に後半5分の決勝ゴールは狙っていた右サイドから決まっている。

 縦に仕掛けた攻撃は一度、F東京の守備に阻まれた。それでもこぼれ球を拾った藤田が右サイドで短く縦に仕掛け、ゴール前に速いボールを入れる。そこに飛び込んできたMF菊池大介がクロスに合わせてボールをゴールに突き刺した。

 チョウ・キジェ監督は涙ぐみながら、選手たちの成長とハードワークを称えた。その中で「勝った、負けたという結果に左右されず、何が良いプレーだったか。何が悪いプレーだったか。選手たちが自分たちで判断できるようになってきている」と、チームが成長した部分について口にした。

 会見場で選手たちへの感謝を繰り返した指揮官は、ロッカールームでも「おまえたちの力だ」と、選手たちに語り掛けていたという。だが、古林は選手たちが成長できたのは「監督、スタッフ、コーチのおかげ」と、断言する。

「チョウさんは、『おまえたちの力だ』と言ってくれましたが、自分たちだけではここまで来ることはできなかった。でも、まだまだ上を目指さないといけない。自分たちの力を出すことはもちろん、いろんな人の力を借りてどんどん上に行きたい」と、上を見据える。

 この日、ゴールを決めた古林と菊池は、ともに湘南のユースでプレーしていた同期だ。「ユース上がりの2人でゴールを決められて残留できて、すごくうれしいです」と、喜ぶ。しかし、すぐに「もっと点は決められましたけどね。オフサイドじゃなかったら反転してシュート打てたなとか。ヘディングもできたなとか。もっとできると思うし、どのポジションで起用されてもやらないといけない。来年、チームに誰がいるのか、誰が残るかも分からない。どこで出るにしても、パフォーマンスを上げていきたい」と、課題を口にした。それもまた、良いプレー、悪いプレーを自分たちで判断できるからだろう。

(取材・文 河合拓)

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