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[MOM1521]矢板中央FW森本ヒマン(3年)_圧巻ヘッドなど3発!期待の大型FWが前向きに変貌

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.17 全国高校選手権栃木県予選2回戦 佐野東高 0-9 矢板中央高 日光丸山公園サッカー場]

 この選手権だけは必ず結果を残す――。栃木3連覇を狙う矢板中央高は187cmの大型FW森本ヒマン(3年)が豪快な3ゴール。期待に応えたいという想いを強く抱く注目ストライカーが会心のスタートを切った。

 まずは前半4分、右SB古家秀太(3年)の右クロスにファーサイドでマークを外して反応すると、圧倒的な打点のヘディングシュート。これがGKの手を弾いてゴールへ吸い込まれると、前半終了間際にも右アーリークロスをDFの背後で頭で合わせて2点目を奪う。そして後半13分にはPA外からこぼれ球を豪快な左足シュートで叩き込んだ。能力の高さを示す3発。加えて、この日は以前の姿と違うプレーを連発していた。

 矢板中央の高橋健二監督が「凄いですよ。なかなかああいう選手はいない」というほどの跳躍力と高さ、フィジカル能力を持つストライカーだが、これまでは「欲がないと言われますね。普通に繋げればいいなと思って下げたりしていた」というように貪欲にゴールを目指すよりもチームの攻撃が上手く回るように、無意識のうちにつなぎ役に徹していた。だが指揮官が「『ストライカーになれ』、と。『自分が点取るんだという意識をもってプレーしろ』と言ったら、だいぶ前向けるようになってきた」というFWは意識の面で変化。この日は長い足を活かして足裏でコントロールしながらのターンなどから前を向いて仕掛けるシーンを随所に見せた。

 前線でボールを落ち着かせてさばくことは「誰でもできる」と前を向くことを意識。「ボール持ったら前向いてシュートをイメージしました」と積極的にゴールを狙い、その姿勢が3得点に繋がった。中学時代から痛めている左膝の不安があり、まだまだ球際での激しさなど物足りなさがあるが、それでも「かなりいい環境でやれています」と語るFWは星キョーワァンや川上優樹という高体連屈指のCBとのトレーニングで着実にレベルアップし、彼らも認めるような前向きのプレーを増やしている。

 1年時の選手権全国大会1回戦・四日市中央工高戦でいきなりゴールを決めたコンゴ系の大型ストライカーも2年時は膝の負傷に悩まされるなど、大きな期待に応えるほどの結果を残すことができていない。それだけに「(目標は)FWでは宇佐美選手。貪欲にゴール狙っているんでそういうところは真似していきたい」とゴールへの意識を口にするFWがこの冬こそ、期待に応える活躍を続けて全国4強というチームの歴史を塗り変える。

(取材・文 吉田太郎)
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