beacon

[MOM1524]多摩大目黒DF関澤海(1年)_憧れの「14」のように、気持ちの強さが「持ち味」の戦うルーキー

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.18 全国高校選手権東京都Aブロック予選準々決勝 多摩大目黒高 1-0 東京実高 大泉高G]

 気持ちの強さを「そこが持ち味」と言い切る1年生。試合終盤、1点を追う東京実高のシュートをブロックすると、会場中に響き渡るような声で「(ヨッ)シャー!!」と叫んでみせた。多摩大目黒高の遠藤雅貴監督も「彼は本当に精神的に強い」という左SB関澤海(1年)はプレー面でも、メンタル面でも間違いなく勝利の立て役者のひとりだった。

「気持ちで負けたら試合でも負けちゃう。そこは意識していました。シュート打たれても、スライディングすることによってシュートが少しでもズレたりするので最後まで諦めないことを意識していました」という関澤。本来ボランチで現在SBを担当している関澤は「1対1で負けないところやカバーリング」というSBとしての強味を発揮して東京実の攻撃に食い下がった。本人はその1対1で苦戦した部分もあったことから「満足していないです」と振り返ったが、自分よりも背の高い相手との競り合いでボールを奪い、ゴール前の局面で勇気を持って身体をぶつけて相手の攻撃を食い止めた。そして、触れるかどうかというような距離でも諦めずに続けたスライディング、シュートブロック。1年生らしからぬ気迫溢れるプレー、指揮官も評価する気持ちの強さ、物おじしない姿勢がチームを活気づけた。

 そして迎えた勝利の瞬間。「勝った瞬間、頭真っ白になって叫ぶことしかできなかった」と喜びを爆発させた。「小学校の頃、川崎フロンターレの試合見て、最初見た時に好きになりました。『この人、凄えな』と思いました」という憧れの川崎F MF中村憲剛と同じ背番号14。「(チーム内でも)一番気持ちは負けていないと思います」という関澤は「ボクの憧れている中村憲剛選手が試合中もどんどん闘志溢れるプレーするので」という理由で気持ちの部分を全面に出すプレーヤーになったという。その武器は普段のトレーニングから磨かれているもの。「ボールに集中するだけ。練習中からやっていかないと気持ちは出ない」と日常からトレーニングで100パーセントを出すことを続けているからこそ、試合でその気持ちをしっかりとぶつけられるようになった。

 SBとしてはクロスの精度など課題があり、それは日々改善していかないといけないと感じている。だが、多摩大目黒高にとって初となる選手権予選準決勝でも物怖じすることなく戦うだけ。多摩大目黒中の一員として出場した昨年の全国中学校大会ではMF中村亮太らとともに全国ベスト8まで勝ち上がり、自身も2試合連続ゴールを決めるなど豊富な経験値も持つ関澤が、大舞台でも勝利への思いを全面に出して戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2015
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2015

TOP