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個人記録よりのチームの勝利、優勝目前広島の強み「寿人の途中交代」

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[10.24 J1第2ステージ第15節 甲府0-2広島 中銀スタ]

 この日もFW佐藤寿人は後半19分にピッチを後にした。今季はリーグ戦全試合でスタメン出場を続ける佐藤だが、フル出場は8月16日の柏戦のみで、その他はすべてが途中交代。ほぼ後半15分前後での交代となっている。

 佐藤は現在、J1通算最多得点記録の更新にあと1ゴールと迫っている。ただ、8月29日の名古屋戦で王手をかけて以降、6試合ゴールから遠ざかっている。

 優勝争いを繰り広げるサンフレッチェ広島は、この日も前半だけで2点のリードを奪って、試合を優位に進めていた。試合展開的にも佐藤個人の記録をアシストするべく、出場時間を延ばすことも考えられた。しかし森保一監督は、いつも通り、交代カードの一番手として佐藤を下げた。

 指揮官としても苦渋の選択であることを明かす。「本人はもっとプレーしたいと思っていると思う」。それでも「受け入れて、交代してくれることは、チーム全体として戦ってくれることを体現している」とチームの勝利を優先するベテランに感謝を示した。

 プレッシャーのかかる状況でも、普段通りのサッカーをして、勝ち点を積み上げる広島。その中で輝く、いつも通りにプレーし、交代時に笑顔でベンチに戻り、ベンチでチームの勝利を信じ続けるエースの姿。偉大な記録更新を目前にしながら、チームの勝利を優先する背番号11の存在こそ、広島に備わる強さに他ならない。


●[J1]第2ステージ第15節1日目 スコア速報

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