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[MOM1530]松山北MF木藤佑也(3年)_「かなり天然系」の頼れるボランチが勝利に導く決勝点をマーク

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 全国高校選手権愛媛県予選準々決勝 松山北高 1-0 済美高 新居浜グリーンフィールド]

「昨年のチームが全国に出られたのは、木藤がいたからなのは間違いない」。主将であるDF夏井雄太がそう評するのはボランチを担うMF木藤佑也。連覇を狙う松山北のキーマンと言える存在が、今年もチームを頂に近づける活躍を見せた。

 この日の対戦相手はプリンスリーグ四国に所属する済美高。県1部リーグ所属の松山北からすれば、格上と言える相手とあり、前半は守備の意識を高めて挑んだ。「相手の福本(拓海)選手がトップ下に入ると予想していたので、しっかりプレスに行こうと思っていた」ものの、実際にトップ下に入ったのはFW曽根晃太。当初の目論見は外れたものの、ダブルボランチを組んだMF中川奨真とうまくマークを受け渡し、自由を与えず。加えて、相手が狙った縦に速い攻撃もヘディングで確実に跳ね返し、失点を回避。「まずは守備から」というチームの約束事をしっかりと果たしつつ、的確な散らしで攻撃のリズムを作った。

「前半は自分たちの流れで1点が遠かったけど、1チャンスを活かせれば自分たちの流れが来ると思っていた。ゴールのチャンスが何度かあったし、良いサイド攻撃もできていたので、後半は1点獲れるんじゃないかって思っていた」との読み通り、後半は高い位置でボールを受ける機会が増加。後半28分にはMF稲井雄大の右CKを頭で叩き込んで、チームを勝利に導いた。

 だが、「木藤らしい場面。昨年のインターハイでは、靴を忘れて、靴下のままで集合場所に現れたり、かなり天然系」と夏井が評したように、ゴールを決めた直後に足を攣り、喜びの場面は台無しに。本人が「攣る予兆はなかったけど、思い切り飛んだ瞬間に攣っちゃいました。緊張しすぎているからなのか、よく足を攣るんです。いつもは試合が残り3分くらいに攣って、そのまま試合が終わるんですけど、今日はきつかった」と話したように、一度はピッチに戻ったものの、プレー続行を断念。32分にMF福田祐真と代わって、ピッチを退いた。

 少し抜けた部分もある選手だが、夏井が「普段の生活ではかなり抜けているけど、ピッチに立つと、顔つきが変わる。ボールもおさまるし、頼れる存在」と口にするように、試合での存在感は絶大。総体と選手権の県2冠を達成した昨年に続き、今年も晴れ舞台に立てるかは彼の活躍次第と言っても過言ではない。最終学年を迎えた今年は意気込みも強く、「3年生のほとんどが夏で引退して、残ったのは僕ら4人のみ。試合に出たくても、受験勉強で出られない選手ばかりなので、皆の想いをプレーで示したいし、試合に出ている責任を果たしたい」と口にする。残る2試合でも、彼が特徴を出し切ることができるか、目が離せない。

(取材・文 森田将義)
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