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[選手権予選]笑顔絶やさずゴール守った青森山田の仙台内定CB常田、「日本代表もあるぞ!」のエールに応える成長を

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[10.24 全国高校選手権青森県予選決勝 青森山田高 1-0 八戸学院光星高 青森県総合運動公園陸上競技場]

 1-0の緊迫した終盤。だが、青森山田高のCB常田克人(3年)の表情からは笑顔が絶えなかった。「(チームを)和ませようかなと。(個人的にも)楽しみながらというのもありました」。諦めずにゴールを目指してくる八戸学院光星高の攻撃に加えて強い風雨。決して余裕のある展開ではなかったが、常田は周囲の硬さを解そうと笑みを浮かべながら頷き、周囲に声をかけ続ける。「入りから相手のFWに仕事させてしまったというのもあるんで、まだまだ全然。自分たちのゴールに近づけさせてしまったので修正していければいい」と反省も忘れなかったが、187cmの高さを発揮して空中戦で何度も勝利。チームの雰囲気作りにも一役を買っていたCBは1-0の勝利をもたらした。

 今年7月にベガルタ仙台への加入内定が発表された。元々187cmの高さと左足のフィードを高く評価されてきたが、プロの夢を掴んだのはがむしゃらさにあった。本人は高円宮杯プレミアリーグの序盤戦から見せた思い切ったプレーが、プロへの挑戦権を手繰り寄せたのだと感じている。「がむしゃらというか一生懸命にやっていて、そこを見られたかなと思うんですけど。前よりもやらないといけないという気持ちがある」。高校生活も残りわずか。その中でこれまで以上の一生懸命さを表現していくつもりでいる。

 決勝後には緊張する対面があった。この日、青森県大会決勝の解説を担当した元日本代表CB秋田豊氏と挨拶。その場でアドバイスを受けるという貴重な機会を得た。「相手との1対1で自分引いてしまうのが凄くあったので、相手の動きに合わせて引かないで前で、と。緊張しました。持っているものはあるし、背というのもいいもの持っているから、秋田さんに言われたことをもっと伸ばしていけば『日本代表もあるぞ』と言われました」。この言葉に勇気づけられたと同時に前へ出ることの大切さを再確認した。

「個人個人のレベルアップと連係とかもっとやっていかないといけない」。1か月後には「予想外で凄くいい順位」と首位に立っているプレミアリーグが再開し、選手権の全国大会が続く。ビッグタイトルを勝ち取って仙台入りを果たすか。笑顔で、より一生懸命に戦って、成長して高校生活を全うする。

(取材・文 吉田太郎)
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