beacon

[Jユースカップ]明暗分けた試合の入り、名古屋U18が広島ユース破る!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[10.24 Jユースカップ3回戦 広島ユース 0-2 名古屋U18 時之栖スポーツセンター]

 冬のクラブユース日本一を決める2015Jユースカップ 第23回Jリーグユース選手権大会の3回戦が24日、静岡県御殿場市の時之栖スポーツセンターにて開催された。夏の日本クラブユース選手権に続いての8強入りを狙う名古屋グランパスU18は、サンフレッチェ広島ユースと対戦。高円宮杯プレミアリーグでもしのぎを削ってきたライバルチームとの激しい攻防を制し、2-0で快勝を収めた。

 このゲームについて広島・沢田謙太郎監督は「ちょっとゆるく(試合に)入ってしまった。僕の責任です」と悔やむ。一方、名古屋・高田哲也監督は「『よし最初行こうぜ!』という感じでうまく試合に入れた。風も味方してくれたし、勢いに乗ってスタートできた」と振り返る。その明暗が、スコアの差となった。

 開始わずか3分だった。名古屋が前に押し込む流れの中で広島GK大迫敬介のミスから名古屋にチャンスボールが転がり込む。「GKが前に出てきて、『これは来るかもしれない』と思っていた」と虎視眈々とスキを狙っていたのは、名古屋が全国に誇る背番号10、森晃太。名手にとって無人のゴールに蹴り込むのは、そう難しい作業ではなかった。名古屋は続く7分にも、速攻からMF深堀隼平が鮮やかに左足シュートを突き刺して、2-0。これで試合の主導権を完全に奪い取った。

 広島にとっては「もったいない形で試合が始まってしまった」(沢田監督)というほかなく、ピッチ上からは心理的な揺らぎも見え隠れする。焦ってミスが出る、気合いが先走って力みが出るというプレーがまた次のミスを生んでしまう悪循環に陥り、攻守が空回りしてしまった。リードを奪った名古屋が「ブロックを引きながらカウンターを狙う」(森)と、シンプルなゲームプランを見出したのとは対照的に、意思統一が難しい状況になってしまった。

 後半に入って広島も気迫あふれるプレーで名古屋に襲いかかったが、名古屋守備陣も慌てることなく粘り強く対応。結局、90分を通じてその攻撃を防ぎ切って、2-0のままスコアは動かず、逃げ切りに成功した。会心のゲームを完遂した名古屋の高田監督は「向こうがバタバタしてくれたのはあるけれど、90分間衰えることなく本来やりたいサッカーをやり切ってくれた。もちろん課題もあるけれど、ウチの良い部分を出し切ってくれたと思う」と奮戦した選手たちへの賛辞を惜しまなかった。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
2015Jユースカップ特集ページ

TOP