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[Jユースカップ]PK戦もつれ込んだ「育成の名門対決」、東京Vユースが制す!

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[10.24 Jユースカップ3回戦 G大阪ユース 0-0(PK6-7)東京Vユース 時之栖スポーツセンター]

 24日、2015Jユースカップ 第23回Jリーグユース選手権大会3回戦が静岡県の時之栖スポーツセンターにて行われ、{{c|ガンバ大阪ユース}と東京ヴェルディユースが激突。東西を代表する育成の名門対決だったが、意外にも全国大会での対戦は長く行われていなかった。ユースOBでもあるG大阪・梅津博徳監督は「就任してから初めてのヴェルディ戦なので」と、この対戦を心待ちにしていたほどである。一方、東京V・藤吉信次監督は「プレミアリーグのトップにいるガンバさんのようなチームと試合ができる。それは本当に幸せなこと」と語り、士気高くゲームに臨んだ。

 序盤から高いテンションで試合の主導権を奪いに行ったのは東京V。「(G大阪のような)しっかりつないでくるチームは、やりやすい面もある」と藤吉監督が語ったように、プレスをかけて相手のパスワークを封じに行く。ピッチ状態の悪さも手伝って果敢なプレスは総じて奏功しており、試合を通じてG大阪が“らしい”攻撃に至ったシーンは数えるほどとなった。

 ただ、「決め切るところの甘さがあった」と藤吉監督が振り返ったように、東京Vの攻撃も実らない。「ピッチが悪い中で、選手たちが自主的な判断でシンプルに蹴る判断を増やしてくれた」と指揮官が語るように、長身FW郡大夢を生かす攻めからG大阪守備陣を脅かしたが、21分にその郡のヘディングシュートがG大阪GK渡辺健太のセーブに阻まれるなどゴールには届かない。郡が競ったこぼれ球をMF大久保智明が狙った25分のチャンスも、シュートは枠外にそれていった。

 後半からは一進一退。DF品田竜之介が「相手の時間帯もあれば、自分達の時間帯もある展開。でも不思議と負ける気はしなかったですね。もちろん、最初から」と語ったように、東京Vは受け身になることなく延長含めた110分を強気で戦い抜いて、0-0のままタイムアップ。決着はPK戦に委ねられた。

 PK戦は東京Vの3番手・大久保のキックが相手GKに阻まれる苦しい展開となったが、G大阪の5番手・初瀬亮のキックを東京V・GK村田怜穏が起死回生のビッグセーブ。その後は全員が成功する流れの中で、G大阪の8番手・FW小西雄大のキックが枠外へ。対する東京Vの8番手・DF平田竜士はしっかりと決めて最後のキッカーとなり、熱戦は終幕。育成の名門対決を制した東京Vが準々決勝進出を決めた。

 藤吉監督は「フロントの人が出発前に見送ってくれて、これだけたくさんのサポーターが来てくれて、連れてきたベンチ外の選手も含めて一体になって戦うことができた。その一体感でガンバさんのような強いチームに勝つことができた」と総括した上で、「僕は本当にこのチームが大好きなので、1試合でも多くやらせてあげたい。Jユースカップは『6試合やる』というのが、まず大きな目標なんです」と、ファイナリストを目指すことを宣言した。

(取材・文 川端暁彦)
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