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[DAYS×ゲキサカ連動企画vol.65]五條FW堀内幹太(2年)_ドリブラー揃う五條で、際立つ“走り屋”

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DAYS×ゲキサカ連動企画「全国のつくしを探せ!」
[10.25 全国高校選手権奈良県予選2回戦 五條高 4-0 奈良北高 香芝高G]

 応援団が発する選手コールは、名前に「ドリブラー」という固有名詞がつくものばかり。吉岡一也監督は、「あれは嘘の応援」と笑うが、個の力を磨くために入学直後からドリブル練習を徹底しており、あながち間違いではない。この日の試合でもCBの辻雄也が最終ラインから、ドリブルでゴール前まで持ち込む場面が見られたように、技巧派が多く揃うのが五條高だ。

 ただ、その中でも少し毛色が違う選手がいる。それは2年生FWの堀内幹太だ。中学時代は、五條と同じく徹底してドリブルに拘るディアブロッサ高田FCに所属していたように、決して下手な選手ではない。だが、「先輩たちは上手い選手ばかり。入った当初は、皆ドリブルが上手いし、パスも繋げるので、ついていくのでいっぱいいっぱい」だったと振り返るように、周りが巧すぎるのだ。

 昨年の選手権予選では登録メンバーに入れず、決勝で郡山高に敗れる姿をスタンドで見守るしかなく、悔しい想いをした。「小中学校はあまり試合に出られていなかったので、高校ではどうしても試合に出たかった」彼が、試合に出るために始めたのは高校に入るまでは苦手としていた走りの強化。「とにかく、人よりも走ろうと思った。皆で走る時にはなるべく前の集団に入るようにしています」。同時に、自主練では、コーンドリブルを反復するなど、先輩たちに追いつくために努力を続けた。

 その甲斐あって、2年生となった今年は春先からAチームのメンバー入りを達成。総体予選後からはスタメンに定着した。応援団の一員だった昨年とは違い、ピッチで迎えたこの日の選手権予選の初戦は、「今日はとにかく走ろうと思っていた。前から、しっかりプレッシャーをかけて少しでも後ろを楽にしようと思っていた」との意気込み通り、ひたむきに動き回って、攻撃をけん引。開始1分に、相手GKのキックを高い位置で弾き、MF棚田有哉のゴールをアシストしたものも、しっかり前線で動いていたからなのは間違いない。

 もちろん、FWであるからには動いて終わりの選手で終わるつもりはない。「試合の時は厳しいけど、普段は優しいし、楽しいし、すごく良い監督。絶対に全国に行きたい」という吉岡一也監督から、よくかけられるのは「とにかく点を決めろ」という言葉。毎試合ゴールを目標に掲げている通り、後半15分にはMF加瀬部拓巳のパスから、ゴールを奪ってみせた。昨年とは違った景色を彼が見れているのは、頑張りがあったから。この先の試合でも、懸命に走る彼の姿があれば、チームも全国というまた違う景色を見ることが出来るはずだ。

(取材・文 森田将義)
 『DAYS』は、何の取り柄も特技もない少年・柄本つくしが、サッカーの名門・聖蹟高校に入部したことで始まる灼熱×感動×奇跡の高校サッカー漫画だ! 現在、週刊少年マガジンで連載中。
 そして今回、柄本つくしのように、“泥臭くチームのために献身的に走る”全国のサッカープレイヤーを応援していく企画「全国のつくしを探せ!」! 各地の高校世代のゲームの中から、毎週つくしに負けない“熱さ”を持った選手をピックアップしていく。全国のサッカープレイヤーは要チェックだ! 次の“つくし”はキミかもしれないぞ!!

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