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[MOM1538]盛岡中央DF及川涼介(3年)_「彼の予測と身体能力で全部弾いてくれた」指揮官大絶賛の強力CB

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.27 全国高校選手権岩手県予選準決勝 盛岡商高 1-4 盛岡中央高 盛岡南公園球技場]

 名門・盛岡商高が次々と放り込んでくる縦からのロングボール、横からのクロス、ロングスローも178cmの身長を活かしたヘッド、そして足を必死に伸ばしてのクリアで跳ね返した。盛岡中央高の小原祐一監督も「マン・オブ・ザ・マッチはきょうは点数取った選手というよりは及川涼介。(盛岡商の)セカンドボール拾って幅を広げてクロスというところを、彼の予測と身体能力で全部弾いてくれたので、きょうの一番の功労者は及川涼介だと思います」と絶賛したCB及川涼介(3年)が名門撃破の最大の立て役者だった。

「最初は高さでやられて押し込まれる時間があったけれど、前半は我慢という話で耐えれば自分たちの時間来ると思った。高さの部分では県外のチームとかとやって慣れている部分があった。自信がありましたね」と及川。コンビを組む180cmCB中島浩平(3年)や左SB小畑卓(3年)、右SB千葉亮介(3年)らチームメートと力を合わせて相手の攻撃をセットプレーによる1点に封じた。

 その堅守の中心にいた及川だが、「自分はいつも通りにやっただけ」と至って謙虚。小原監督が「岩手の後ろの選手では1、2番に強いんじゃないですかね」という身体能力の持ち主で、本人も「良さは上のボールはほとんど負けることないんで、そこと読みとかカバーとか反応。反応速くできるところがいいと思います」と分析するが、「自信はあるけれど、(相手に対して、かかって)来いと思っていない。できるだけ声かけて前に処理させています」と控え目だ。それでも試合中は際立った存在感を示す頼もしい存在。元々はトップ下やFW、ボランチを務めていた選手でパワフルな突破とシュートも「もっている」。その攻撃的選手が、チーム事情で総体予選後からCBに定着したことで盛岡中央の課題を埋めた。

 攻撃好きでサッカー動画もDFのものよりも、FWズラタン・イブラヒモビッチらのゴール集を見ることの方が多いという。それでも試合が近づくと、DFカルレス・プジョルやDFセルヒオ・ラモスの守備を確認。イメージを持ってピッチに立ち、その強さと読みでゴールを死守している。次は憧れの全国大会出場権を懸けた決勝。「(盛岡中央は)3年前行って以来、決勝も行っていないし、いい結果出していない。みんなで気持ち強く持って頑張りたい」というCBが攻撃自慢の遠野高の前にも立ちはだかる。

(取材・文 吉田太郎)
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