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ナビスコ杯決勝前日…対照的な両監督「緊張感」「時々ボケようと」

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 ナビスコ杯決勝の前日公式練習および記者会見が30日、試合会場となる埼玉スタジアムで行われた。3年ぶり史上最多6度目の優勝を狙う鹿島アントラーズは公式練習後、石井正忠監督とMF柴崎岳が会見に出席。今年7月、トニーニョ・セレーゾ前監督の解任に伴い、コーチから昇格した石井監督は「埼玉スタジアムに入ってピッチの上に立って、最高の舞台で戦えることを思うと、少しずつ緊張感も増してきた」と、決戦を翌日に控えた心境を述べた。

 2年連続3度目の優勝を目指すガンバ大阪からは、練習前の長谷川健太監督とMF遠藤保仁が出席。「今年もまたこの舞台に帰ってこれたことを幸せに思っている」と語った長谷川監督は「まだ練習していないので、石井監督のように気持ちが高揚することはないが、連覇できるようにがんばりたい」と落ち着いた表情で語った。

 就任3か月の新人監督と、昨季の3冠監督。決勝前日の両指揮官の表情は対照的だった。緊張を隠せない石井監督に対し、長谷川監督は「昨季は結構ガチガチだったかなと。今もまじめに受け答えしているつもりだが、時々ボケようかなと思う自分もいる。大阪3年目にして、ちょっとやばい傾向にあるかなと思っている」と、ジョークを飛ばす余裕もあった。

 清水監督時代はナビスコ杯で1度、天皇杯で2度決勝に進出しながら、みたび準優勝に終わり、タイトルを獲れなかった。しかし、G大阪では就任1年目の13年にJ2で優勝。昨季は日本人監督として史上初となるJリーグ、ナビスコ杯、天皇杯の国内3冠を達成した。

 長谷川監督にとって、J2を除けば、J1での初タイトルが昨季のナビスコ杯だった。3冠へ弾みを付けた“初タイトル”。「今シーズンも獲るチャンスがあるなら、3冠すべてを狙っていきたい。まず明日の試合で1冠目を獲れるように、しっかり準備して戦っていきたい」と意気込んだ。

 昨季の敵将のように、ナビスコ杯で自身初のタイトルを獲得したい石井監督だが、クラブとしては「過去に5回のタイトルを獲っている重要な大会」と話すとおり、史上最多となる5回の優勝経験を持つ大会だ。「自分たちの力を発揮すれば勝てるのではないかと思う。ガンバ大阪さんは攻守にバランスの取れた強いチーム。受けずにしっかり攻撃的に行きたい」と誓った。

 過去2シーズン連続で無冠に終わっている鹿島にとって、タイトル獲得となれば、12年のナビスコ杯以来、3シーズンぶり。「毎年、メンバーが代わる中で、タイトルを獲れば、その年の選手の成果になり、選手自身の自信にもなる」。シーズン途中の就任でチームを立て直した生え抜き監督の下、クラブとして17個目のタイトル獲得を目指す。

(取材・文 西山紘平)

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